小売企業の倉庫や配送センターが多いニュージャージー州の労働者60人が12月13日、ニューヨーク・マンハッタンにあるアマゾン(AMAZON)のオフィスや、34丁目にある「アマゾン ブックストア(AMAZON BOOK STORE)」の店舗前で賃上げや労働環境の改善を訴えるデモを行った。
「アマゾンをはじめとする巨大企業は、倉庫や配送センターで働く労働者と利益を分かち合うべきだと主張するために集まった」とデモの代表者は話した。このデモは“Warehouse Workers Stand Up(倉庫で働く労働者よ、立ち上がれ)”という名称で、ニュージャージー州やニューヨークの倉庫や配送センターで働く労働者の他、労働組合、支援団体などが参加した。
労働組合によると、ニュージャージー州にはアマゾンやその他の小売り、そしてアパレル企業の倉庫で3万人が働いており、その多くは移民、女性、有色人種だという。2024年までにはニュージャージー州に6500人の労働者が増える見込みだ。
こうした労働者の多くが低賃金で働いており、ニューヨークで時給15ドル(約1695円)の仕事もニュージャージー州では時給9ドル(約1017円)程度しか支払われないという。「15年以上もニュージャージー州に配送センターを置くニューヨークのアパレル企業フリーズ(FREEZE)に勤めているが、いまだに時給が11ドル(約1200円)にも満たない。ディズニーやポケモンなど、われわれは毎週あらゆるロゴが入ったTシャツを製作する。アマゾンの仕事もたくさんするが、アマゾンが私が働く配送センターの視察に訪れた時に、われわれの賃金について質問することはなかった。関心がないようだった」と配送センターで働く労働者は話す。
「働く母親として、生活できる水準の給料が必要だ。私が働いている会社では、デザイナーがいるような高級服を扱っている。アマゾンにも通常の店舗にも発送する。しかし、生活できる額の給料は支払われない」と別の労働者も訴える。
これに対してアマゾンは、「当社は従業員の人権を守り、従業員側に言いたいことがある場合はすべてを受け止めるポリシーで、質問や悩みなどをマネジメントチームに直接伝えることを推奨している」と主張している。