ファッション

全事業終了したはずのキットソン、ロサンゼルスで復活!?

 キットソン(KITSON)創業者フレイザー・ロス(Fraser Ross)は、12月13日、自身が手掛ける新ストア業態「キットロス(KITROSS)」のロサンゼルス・ロバートソン通り店を、「キットソン キットロス(KITSON KITROSS)」に改名した。ロバートソン通りは「キットソン」がビバリーヒルズにオープンした当時、パリス・ヒルトン(Paris Hilton)やニコール・リッチー(Nicole Richie)、ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)をはじめとする多くのセレブが来店し、パパラッチや買い物客でにぎわっていた通りだ。

 同店舗は前面に“Kitson”のネオンサインが光り、その下に“KITROSS”が続くデザインになっており、ロス創業者が“kitson”の名前を取り戻そうとしているようにも解釈できる。2016年春にオープンした当初、「キットロス」の名前のみだったが、今回ロス創業者により“kitson”が加えられた。これについてロス創業者は「“kitson”は許されない状況で剥奪されてしまったが、当然私が所有するもの」と説明している。

 ロス創業者は16年夏に、キットソンを元最高経営責任者クリス・リー(Chris Lee)によって不正に剥奪されたとして同氏を提訴したが、リー側はこれを否定した。キットソンは15年に破産し、16年に世界でのキットソンの商標権をキットソン CO.LTD.(KITSON CO.LTD.)に一括譲渡している。ロス創業者はさらにキットソンに投資したサルース キャピタル(SALUS CAPITAL)とスペンサー スピリット ホールディングズ(SPENCER SPIRIT HOLDINGS)の関連会社を、キットソンの破綻前に利益を生み出すために店舗の在庫を過度に増やして決算を粉飾したとして提訴。サルース キャピタル側の弁護士は、このような損害は、ロス創業者自身ではなくそのビジネス自体に関わるものとして、この訴訟におけるロス創業者の法的立場は十分でないとしている。なお、本件についての口頭弁論は18年8月15日に設定されている。

 ロス創業者は今後も「キットソン キットロス」の名前で出店を拡大していく予定だ。この名前の由来は、米「サンクスギビング(感謝祭)」期間にロンドンを訪れ、ピューリッツァー賞文学賞を受賞した名作戯曲「グレンガリー・グレン・ロス(Glengarry Glen Ross)」の看板をタクシーから見かけた時に思いついたという。「その看板には『貪欲と腐敗のストーリー』と書かれていた。私のストーリーはこの戯曲のストーリーとよく似ていた」と語っている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。