ディーゼル(DIESEL)は同社の最高経営責任者(CEO)に、マルコ・アニョリン(Marco Agnolin)を指名した。同氏は1月に就任する。ディーゼルのCEOは4月にアレッサンドロ・ボリオーロ(Alessandro Bogliolo)が退任し空席のままだった。なお、ボリオーロ前CEOは10月にティファニー(TIFFANY & CO.)のCEOに就任している。
「ザラ(ZARA)」を擁するインディテックス(INDITEX)の「ベルシュカ(BERSHKA)」で7年間経験を積んだアニョリン新CEOは「私の人生はある一つのブランドに憧れ、ずっとインスパイアされてきた。そのブランドが『ディーゼル』だ。そんなブランドに参加できることをうれしく思う。『ディーゼル』の新たな章を担うことを楽しみにしている」とコメントした。
また、レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)ディーゼル創始者は、「マルコを幹部に迎えることができたことを誇りに思う。彼はファッション業界において世界で最も才能のあるエグゼクティブの1人で、以前から目をつけていた人物だ。彼の経験とパーソナリティーはブランドのビジョンとマッチしており、『ディーゼル』を成功に導いてくれるだろう」と話した。
ディーゼルは再編計画の最中で、ニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)が4年間務めたアーティスティック・ディレクターを退任することが18日に発表されたばかり。また、「ディーゼル」はその親会社のOTBの売り上げの約60%を占める中核ブランドだが、2016年はヨーロッパとアメリカ、それに香港のビジネスが不調で初めて赤字に転落した。これを受けOTBは、「ディーゼル」のポジショニングを変更。2億ユーロ(266億円)程度の減収を覚悟の上で卸先を厳選する改革を進めている。16年度の売り上げは、約9億6000万ユーロ(約1276億円)だった。またロッソ創始者は、息子のステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)を北米担当のCEOに任命し、強化を図っている。