PROFILE:2003年小田急百貨店町田店でキャリアをスタート。16年MAの試験に合格後、アジアメイクアップコンテストで入賞。同年NMAに就任
MIWA日本ロレアル(NIHON L'OREAL) ロレアル リュクス(L'OREAL LUXE)事業本部ランコム(LANCOME)事業部 ナショナルメイクアップアーティストは、メイク関係の仕事未経験で入社し、約15年間腕を磨き続けて2016年に全国のメイクアップアーティストからナショナルメイクアップアーティストに選ばれた。そんな彼女に、美容部員のやりがいを聞いた。
WWDビューティ(以下、WWD):入社のきっかけは?
MIWA日本ロレアル ロレアル リュクス事業本部 ランコム事業部NMA(以下、MIWA):商業施設で働いていましたが、もっと個性が出せる仕事に就きたく、美容部員に興味があり応募しました。ただ、周りの同期は美容専門学校出身の人も多く、私は全く専門的な知識はなくほぼゼロからのスタートでした。
WWD:そこから「ランコム」のトップアーティストに選ばれたのですね。
MIWA:最初はクレンジングと洗顔の違いも分からないくらいでした。人一倍努力しないとついていけなかったので、必死でしたね。先輩が接客している間はバレないように横で会話を聞いていました。先輩が無意識に発する言葉や所作が勉強になるので、先輩から接客術を盗み取るくらいの意識でいました。
WWD:ご自身の接客の強みは?
MIWA:「ランコム」の接客理念として「友人として、プロとして」というモットーがあります。私たちはプロなので、つい専門知識を最初に伝えがちですが、実はお客さまにはあまり親切ではなかったりします。まずは友人や家族目線でフレンドリーな接客をしつつ、最後はきちんとプロのアドバイスを提供するようにしています。「ランコム」は全国にカウンターを構え、どこで買っても製品は同じです。ですが、自分の店舗で購入してもらうためには印象に残る、心地よい接客が絶対だと思っています。
WWD:ナショナルメイクアップアーティストになった経緯は?
MIWA:2016年にメイクアップアーティストの試験を突破し、全国大会に参加しました。初参加ながらもアジア大会の日本代表の1人に選ばれ、トップ8に入賞しました。その後ナショナルメイクアップアーティストに就任し、今は大型店舗でのメイクアップイベントや新製品発表会のサポート、他のメイクアップアーティストの育成をしています。
READ MORE 1 / 1 「美容部員とは人間力が育まれる仕事」
WWD:印象に残るエピソードは?
MIWA:ある日の夕方、最初はなかなか心を開いてくださらなかったお客さまに接客しました。リップをご購入されたのですが、最後に一言「今日1日嫌なことばかりだったが、最後にあなたと出会えて元気になった」と言われました。小さなエピソードですが、初対面の方の気分をもその場で変えられる仕事だと改めて実感し、うれしかったですね。
WWD:失敗談は?
MIWA:入社当初は、ありとあらゆる失敗をしました(笑)。過去に、親切だと思い、いろいろな製品をたくさん提案したことがあったのですが、それがかえってお客さまを混乱させてしまい、怒らせてしまいました。まだ若かったので、「提案してあげたのに」という思いが強かったのですが、自分はお客さまをサポートする立場なので、それ以来「〜してあげた」など上から目線では一切考えないようになりました。
WWD:メイクのこだわりは?
MIWA:パターンを作らないようにしていますね。女性の顔は年齢や髪色、洋服、心境などに合わせて1年の中で何回も変わります。そういうちょっとした変化は絶対見逃さず、それに合わせて変えるようにしています。
WWD:スキンケアのこだわりは?
MIWA:とにかく美容液が大好きです!美容液はラインの中で最も即効性があるアイテムです。私は美容液を朝晩、5種類つけていますね。もちろん日によって組み合わせを変えたりしますが、基本的には化粧水と美容液の重ねづけはマストです。
WWD:仕事においての必須アイテムは?
MIWA:メイクブラシは私の手も同然です。これがないと何もできません(笑)。美容液や日焼け止めはメイクのノリが良くなりますし、「アプソリュ タンクッションコンパクト」は美容液成分たっぷりで簡単に滑らか肌になれます。
WWD:ズバリ美容部員のやりがいは?
MIWA:細かい気配りに気を使う、本当にレベルの高い接客業だと思っています。その分大変なことも、悔し涙を流すこともあります。一生懸命取り組むからこそ涙は出るものです。接客でお客さまと接する時間はほんの一瞬ですが、その一瞬で、その人の気分や人生も変えられる仕事でもあります。そして人間力が育まれる仕事です。だからこそ美容部員の方やこれから目指す方には、長く続けて頑張ってほしいですね。