ヤマトホールディングスは2018年1月4日から、ECサイトで選んだアパレルや雑貨を駅ビルで試着して購入することができる新サービス「フィッティングステーション」をスタートする。
新サービスは駅直結の商業ビル、東京・アトレ大森店で実証実験として始まる。ヤマトグループが実店舗である「フィッティングステーション」を設置し、注文した商品の保管、試着、決済、受け取り、返品までを常駐の専門スタッフが行う(今回のアトレ大森店では決済はEC上で行う)。利用者は試着してから商品購入の判断を店舗で行うことができるだけでなく、仕事帰りなどに店舗で直接受け取ることが可能となる。参加ECサイトはかねまつ、三陽商会、ディノス・セシールの3社の他、1社が1月22日から参加予定だ。
ECサイトなどの通販の拡大により、宅配物の増加、それに伴う再配達の増加が課題になっている。国土交通省の発表によれば再配達数は宅配全体の約2割にも上り、これは二酸化炭素排出にすると年間約42万トン、労働力では年間約1.8億時間、約9万人分に相当する。このサービスにより利用者は自分の生活上で、都合に合わせて受け取ることができるため、再配達の減少が見込める。
また、ECサイト側にもメリットは大きい。まとめて「フィッティングステーション」へ発送することで個客の自宅へ発送するよりもコストが削減できるだけでなく、返品遅れによる販売機会の逸失を防ぐことができる。実店舗を出店にするにはコスト面での問題があるが、このサービスでは複数の事業者とのシェアとなるため出店しやすくなる。
同社では従業員の負担が大きくなったことをきっかけに荷物量の抑制を行ない、17年には10月から2カ月連続で前年同月と比べて荷物数が減少。このサービスは社員からの発案が元となり立ち上がった。
今後は実証実験の結果をもとに2018年中の実用化を目指す。
■フィッティングステーション アトレ大森
日程:1月4日〜3月30日
時間:10:00〜21:00
場所:アトレ大森 3階 イベントスペース
住所:東京都大田区大森北1-6-16