米「WWD」の親会社であるペンスキー・メディア・コーポレーション(PENSKE MEDIA CORPORATION以下、ペンスキー)は、音楽雑誌「ローリングストーン(ROLLING STONE)」を発行するウェナー・メディア(WENNER MEDIA)の過半数株式を取得した。取得金額は非公表。これによって、「ローリングストーン」はペンスキー傘下の媒体となる。
ジェイ・ペンスキー(Jay Penske)=ペンスキー会長兼最高経営責任者は過半数株式取得の理由について「『ローリングストーン』に携わる人々や世界的な認知度の高さ、文化的な価値を評価した。当社は同誌を発行するウェナー・メディア(WENNER MEDIA)と組んで、同誌をあらゆる形で何十年も存続させるつもりだ」とコメントした。
2003年創業のペンスキーは12年に「バラエティ(VARIETY)」を、14年に米「WWD」を含むフェアチャイルド ファッション メディア(FAIRCHILD FASHION MEDIA)を、17年11月にはファッション業界の起業家と投資家をつなぐプラットフォームを運営するファッシュインベスト(FASHINVEST)を買収している。
1967年創刊の「ローリングストーン」は今年で50周年を迎えた。ヤン・ウェナー(Jann Wenner)によって創刊された同誌は、当初はロックやカウンター・カルチャーを取り上げる雑誌だったが、現在はセレブ、ポップカルチャー、政治など幅広く取り上げる。なお、ヤンはウェナー・メディアのエディトリアル・ディレクターとして同社に残る。
ウェナー・メディアの社長兼最高執行責任者として同社に残るガス・ウェナー(Gus Wenner)は「ペンスキー以上に最適なパートナーはいない。ペンスキーは『ローリングストーン』の重要性や価値を理解してくれており、共にこの雑誌を成長させるチャンスに恵まれたことに興奮している」とコメントした。同氏は、ペンスキーの諮問委員会にも参加する。
なお、日本では17年3月まで「ローリングストーン日本版」をパワートゥザピープルが発行していた。パワートゥザピープルは15年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ傘下のカルチュア・エンタテインメントと資本業務提携を行っている。17年12月25日にはカルチュア・エンタテインメントから新たに「ローリングストーン ジャパン」を創刊する。