次世代の人材育成を目的とした産学コラボレーション事業「第11回フォルム プレゼンテーション」(繊維ファッション産学協議会主催)が12月20日、渋谷の文化ファッションインキュベーションセンターで行われた。今回は“日本発:未来に向かう快適機能素材”をテーマに、旭化成繊維事業本部が提供した素材「ベンベルグ(BEMBERG)」を使用して、ファッション専門学校生が素材の美しさ、機能性を生かして制作した作品を発表した。
同プロジェクトで学生たちは、まず6月に東京と大阪で素材知識を学ぶ旭化成主催の“ベンベルグ大学”を受講。8月に滋賀県守山市にある旭化成商品科学研究所を見学後、作品制作に取り組み、11月28、29日に東京国際フォーラムで行われた素材展「JFWジャパン・クリエーション」での作品展示を経て、今回のプレゼンテーションを迎えた。一連の服作りのプロセスを体験して、学ぶことが目的で、約半年を要した異例のプロジェクトだ。
16校、49グループが応募し、審査に残った8グループがプレゼンテーションに臨んだ。その中で、最優秀賞に選ばれたのはエスモード ジャポン東京校生3人組みの作品。「『ベンベルグ』の良さをシンプルにブレずに表現できた。学外の方に協力いただき、他校生と競えたことは、将来につながる貴重な経験だ」とメンバーの1人は受賞の感想を話した。その他、審査を通過したのは、香蘭ファッションデザイン専門学校(旭化成賞受賞)、東京モード学園、ドレスメーカー学院、名古屋モード学園、文化ファッション大学院大学、文化服装学院(優秀賞受賞)、エスモード ジャポン東京校(2チーム通過)の各チーム。
旭化成繊維事業本部の山崎智津子・企画管理部マーケティング室シニアコーディネーターは「作品の表現力、素材を作り込むテクニック、プレゼンテーション力は、全体的にレベルが高かった」と講評した。