「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」は、ヴァイス・メディア(VICE MEDIA)社内のセクハラ問題を詳細にレポートした記事を12月23日に掲載した。
ヴァイス・メディアは、パンクカルチャー誌の「ヴァイス(VICE)」や「i-D」などを擁し、ミレニアル世代の読者を中心に親しまれてきた。近年ではフォックス(FOX)やディズニー(DISNEY)、投資会社のTPGから投資を受けている。
エミリー・スティール(Emily Steel)による「ニューヨーク・タイムズ」の報道では、アンドリュー・クレイトン(Andrew Creighton)社長を含む同社社員によるセクシャル・ハラスメントや名誉毀損被害の訴えを受けて、同社が出した4つの和解案の他、20数人の女性社員によるセクハラ被害の証言や目撃情報を詳細に掲載されている。
この報道を受けてヴァイス・メディアは「ニューヨーク・タイムズ」で声明を発表。その声明には「過去1年間の社員の声を聞くと、報道が真実であることは認めざるをえない。社内のトップから末端まで、すべての社員、特に女性が尊敬と成長を感じることができるような、安全で差別のない職場を作ることができなかった。昔からわれわれには、マネジメントのミスがきちんと管理されず増殖しても許される風潮があった。この風潮の中には不適切な行動を助長する“ボーイズクラブ”的なカルチャーもあり、社内全体に浸透していた。われわれは設立以来、時代の変化に対応し革新を進めてきた。だが、社員に対する不適切な態度を防ぐような社内の仕組みづくりにおいては、メディアの成長に追いついていなかった」と書かれていた。
「ニューヨーク・タイムズ」の報道や噂が広まって以来この数カ月間、同社はダイバーシティ・アンド・インクルージョン諮問委員会(Diversity and Inclusion Advisory Board)を設立した他、フェミニストのグロリア・スタイネム(Gloria Steinem)に協力を求め、3人の社員を解雇。さらに新しく女性を採用するなど、以前の社内文化からの脱却に努めている。