TSIホールディングスは、グループの自社ECのスマートフォンアプリのシステムを画面の表示速度が速いネイティブアプリに順次変える。商品閲覧から決済に至るまで利用者のストレスを最小化するとともに、使い勝手の良さで顧客のアプリの利用頻度を高める。今月からナノ・ユニバースで一部導入を始めており、1月上旬には東京スタイル、その後、ローズバッド、「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」や「マーガレットハウエル(MARGARET HOWELL)」などに広げ、19年2月期中にグループ全てのECを切り替える。
現在広く使われているECのアプリはウェブアプリが大半で、これはウェブサーバーの性能によって表示にかかる時間が左右される。一方、ネイティブアプリは端末の処理能力に依拠しており、ウェブアプリに比べて画像処理の速度が格段に優れるとされている。今回のプロジェクトの指揮を執るTSI ECストラテジーの柏木又浩・社長は「ECの世界では(画像表示が)0.1%秒速くなれば、売り上げが1%上がると言われている。何よりも迅速さを重視した」と話す。
ネイティブアプリの導入は、現時点ではゾゾタウン、アマゾン、楽天など大手ECモールに限られており、個別ブランドのECでの採用はまだ少ないという。TSIでは米プレディクトスプリング社(PREDICT SPRING)のシステムを採用した。TSIは決済においてもアップルペイによる指紋認証などを使えるようにし、購入までの手順を簡素化していく。