インターメスティックの眼鏡ブランド「ゾフ(ZOFF)」の香港1号店が好スタートを切っている。11月25日に香港島の太古駅直結型巨大SC「シティプラザ(太古城中心」に売り場面積94平方メートルで出店。開店直後は3時間限定営業に300人が行列。翌日以降も100人近くが列をなすなど人気スポット化している。12月に入ってからも盛況で、売上高は予算の4倍以上で推移している。
2016年10月に現地法人を設立し、大手コングロマリットのリー&フォン(LI & FUNG)傘下のコンビニエンス・リテール・アジア(CONVENIENCE RETAIL ASIA)社とフランチャイズ(FC)契約を結んで店舗展開するもの。21年までに香港、マカオ、華南エリアで35店舗まで広げる計画だ。
「リー&フォンとは1年半ぐらい頻繁にやり取りをしてFC契約を結んだ。お互いの感度が合った。規模は違うがともにファミリー企業で、親密に意思疎通できている。もともと親日家が多く、日本企業の進出に対して好意的だったうえに、開店時に珍しくリー&フォン一族が集まったことで、インパクトを持って迎えてもらえた」と上野博史・専務取締役チーフ・デザイン・オフィサー。
さらに、「われわれの業態について、メディアなどでは『ファストファッション』と紹介されたが、眼鏡でこのような低価格、かつ、トレンド感があり、品質が良く、バリエーションも豊富な中から、気軽に試しながら選べて、短時間でスピーディーに商品を手渡せるビジネスモデルは存在していない。『新しい眼鏡屋の形』だと評価してもらえた。競争優位性を感じている」と続ける。
現状では、購買客の6割が20~30代で、男女比はほぼ半々。日本でも打ち出す“ゾフ スマート”や“ボストン” “ラウンド”が人気で、トレンド感と機能性を追求した商品が受け入れられていることが分かる。「これは、日本のテレビや動画、雑誌などを見ている世代に受け入れられている証拠だ」と分析する。
スーパーマーケットとポップアートを融合させた「ゾフマート(ZOFF MART)」のタイプで出店しており、今後はオペレーションのスキルアップと、日本の眼鏡カルチャーの発信にも力を入れながら、99平方メートルを標準に出店を加速したい考え。来年2月にテルフォードプラザ(徳福廣場)への出店が決定している。MTR九龍湾駅に隣接する商業施設で、香港有数のレジデンシャルエリア。周辺のテルフォードガーデンプラザ団地に住むヤングファミリーや駅周辺に勤めるOL、サラリーマンなどにもアプローチしていく。