米高級百貨店を運営するニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP以下、NMG)のカレン・カッツ(Karen Katz)社長兼最高経営責任者(CEO)が近く退任することが分かった。1月4日に「ウォール・ストリート・ジャーナル」がカッツ社長兼CEOの退任を報じたが、NMGからコメントは得られなかった。カッツ社長兼CEOは退任後も取締役として経営に参加すると見られている。
NMGを擁する投資会社アレス・マネジメント(ARES MANAGEMENT)とカナダ・ペンション・プラン・インベストメント・ボード(CANADA PENSION PLAN INVESTMENT BOARD)は、ラグジュアリー小売業界の外でカッツ社長兼CEOの後任を探していると見られている。情報筋は「新鮮な視点を持つ人物を探している」とコメントしている。
カッツ社長兼CEO(60)は、1978年に小売業界でキャリアをスタート。85年に米テキサス州ヒューストンのニーマン マーカスにアシスタントマネジャーとして参加する。その後、96年から全店舗を監督するシニア・バイス・プレジデント、98年からエグゼクティブ・バイス・プレジデント、2000年からNMG傘下のニーマン マーカス ダイレクト(NEIMAN MARCUS DIRECT)の社長兼CEO、02年から同傘下のニーマン マーカス ストアズ(NEIMAN MARCUS STORES)のCEOなど要職を務め、10年10月から現職。
同グループは17年7月期通期決算の売上高が前期比4.9%減の47億599万ドル(約5317億円)の減収で、純損失は前期の4億611万ドル(約454億円)から5億3175万ドル(約45億円)に拡大しており、厳しい経営状況にある。一時は身売りも検討していたが、カッツ社長兼CEOは「独立企業として運営していく」とコメントしていた。