「フィリップ プレイン(PHILIPP PLEIN)」が「プーマ(PUMA)」のブランドロゴと類似したロゴを使用したとして、「プーマ」はドイツ・デュッセルドルフ地方裁判所に使用差し止めを申請し、2017年9月に仮差し止めの判決を勝ち取った。「プーマ」の知的財産部門トップのニール・ナーリマン(Neil Narriman)への取材で明らかとなった。
争点となっている「フィリップ プレイン」のロゴは、トラが爪を立てて飛び上がっている図柄。「フィリップ プレイン」は当該ロゴが含まれた製品を仮処分が下されたドイツで販売することができない。
「当該ロゴの存在を『プーマ』が把握したのは、『フィリップ プレイン』が世界中で当該ロゴの商標権を取得しようと申請準備をしていた時だ。当然われわれは抵抗した。しかし、17年末に当該ロゴを使用した『プレイン スポーツ(PLEIN SPORTS)』という新しいスポーツラインを発表しているのを確認した。このラインが発表されると知る前から友好的な解決策を話し合うためにコンタクトをとろうとしたが、一度も返信がなかった」とナーリマンは振り返った。
一方で、仮差し止め処分が下ったことから「フィリップ プレイン」は正式に反論してくるのではないかと「プーマ」側は予測している。また、「プーマ」は1月10日、この件に関してオランダでも同様の仮差し止めの判決を勝ち取っており、その他の国でも同様に申請を準備中だという。
「国によっては申請までに期限があるため、手遅れになった例もあるが、他の国でも対処していく。しかし、もちろん『フィリップ プレイン』側の反応を待ってから行動するつもりだ。この問題を解決するためにコンタクトしてくることを願っている」とナーリマンはコメントした。
しかし、現時点での「フィリップ プレイン」側のリアクションは“友好的”とは言い難い。デザイナーのフィリップ・プレイン本人は6日、「『プーマ』から“ラブレター”が届いた。彼らの飛び跳ねている“猫ちゃん”のロゴと、私の“トラの頭”と爪で引っ掻いた跡に類似点を発見したから法的手段を取るそうだ。競争相手がフェアプレーをせずに、片っ端から他人の成功を力で邪魔することがたびたび起こることに悲しみと問題意識を持っている。『プレイン スポーツ』の成長を誰も止めることはできない!時間と金を無駄にするくらいならフェアプレーをすべきだ」と反論するコメントを自身のインスタグラムに投稿した。
さらに、怒りの収まらないプレインは11日、“ピューマになるな、トラになれ(DON’T BE A PUMA BE A TIGER)”という文言と共に、「プーマ」のシューズを「フィリップ プレイン」に送ると、“プレイン スポーツ”の新作を50%オフで購入できるとインスタグラムに投稿した。