ファッション

ケイト・スペードが8年ぶりにカムバック 新ブランドは何が変わるのか?

ケイト・スペードがついに新ブランドをデビュー

 2007年に自身の名を冠した「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)(以下、ケイト・スペード)」を辞したケイト・スペード(Kate Spade)が、満を持して新ブランド「フランシス ヴァレンタイン(FRANCIS VALENTINE)」を立ち上げる。シューズとハンドバッグのみにアイテムを絞った新ブランドは16年春夏シーズンにデビューだ。ブランド名には、今回も親しみのある“名前”を使用した。創業パートナーはケイトの夫のアンディに加え、「ケイト・スペード」時代からの仲間の2人。「ケイト・スペード」が好調な中、全く新しい名前でスタートするケイトに勝算はあるのか?

 ケイトとアンディ・スペード夫妻は“名前”の威力を知り尽くしている。彼らは新しい会社を立ち上げるにあたり、考えに考え抜いて「フランシス ヴァレンタイン」と名付けた。「フランシスは私の父方の姓なの」とケイト。「祖父、父、兄弟、そして私の娘の名前もフランシスよ。それからヴァンレンタインは母方の祖父のミドルネームだったの。彼はバレンタインデーに生まれたから、そう名付けられたのよ」。

新ブランドはシューズとハンドバッグのみ

 新ブランドはシューズとハンドバッグのみを扱い、デビューは2016年春夏シーズン。プレス対象のプレビューは11月4日に行われた。

 ニューヨーク西40丁目40番地にある「フランシス ヴァレンタイン」のショールームは、スタイリッシュで居心地の良いタウンハウスのような内装で、ロングアイランドにあったスペード夫妻の以前の家から持ってきた家具がしつらえられている。壁にはアンディが収集した絵画が多く飾られている。新ブランドの美学を言葉にすると「モダン」の一言だという。デザインは健全で親しみやすいが、どこか奇抜でカラフルといういかにもアメリカ的な雰囲気を持つ。製造はスペインとイタリアで行われ、プライスポイントは昔日の「ケイト・スペード」より若干高い。

 フラットなメリージェーン・エスパドリーユは275ドル(約3万3800円)、太目のジュエルシェイプ・ヒールのスネークスキン・サンダルは625ドル(約7万6800円)。バッグの価格帯は225〜725ドル(約2万7600〜約11万6800円)だ。

 「シェイプは極めて造形的だと思うわ」とケイト。「『ケイト・スペード』時代とは別人になりましたとは言えない。辞めてから8年後にファッション業界に戻ってきて、突如リック・オウエンスになりました、なんてことはあり得ないでしょう?」

次ページ:「ケイト・スペード」との違いとは?▶

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