ファッション

「アンリアレイジ」2013-14年秋冬東京コレクション

形の次は色を操る!? 色が変わるエレガントウエア

 インビテーションは白、黒、グレーの3本の色鉛筆。ただし、鉛筆には、き、あか、あおと書かれており、実際の芯の色もそれぞれ赤、青、黄という意味深なもの。さらに今シーズンのテーマは「カラー」とある。

 冒頭は、ちぎり絵のような柄をのせたモノクロームの世界。ロング丈のプリーツドレスや、キモノを彷彿とさせるラップドレス、キュロットスカートとジャケットのセットアップなど、これまでになくエレガントなスタイルを並べた。柄は千鳥格子やチェック、カムフラージュなどクラシックなものに変化し、さらに柄の一部分にブルーやイエロー、ピンクといった色がのせられる。アイテムではなく、スタイリングの中でカラーブロッキングを楽しむコーディネイトもある。

 シーンが変わると、白衣を着たモデルが二人登場する。モデルがスクエアの舞台中央に設置されたターンテープルに乗ると強い照明がモデルを照らす。真っ白だった洋服は、魔法をかけられたかのようにみるみるピンクとグリーンに変化する。生地だけではなく、ボタンやシューズの一部の色も変わる。次々と、全身ホワイトのコーディネイトのモデルたちが登場し、魔法のターンテーブルの上で、ピンクやパープルといった鮮やかな色や隠れていた柄を披露していく。まるでマジックをみているかのようなショーだが、服の形は至ってシンプル。トレンチコートやジャケット、カーディガンやスカート、ややオーバーサイズのコートといった今すぐ着たい“リアル”なスタイルだ。その色を変幻自在に操って見せた。

 「これまで形に対してアプローチし、形を壊そうとばかりしていたけれど、形のない色を壊すことができないかと考えるようになった。空の色が時間とともに変わるように、色も絶対的ではないと思ったから」とデザイナーの森永邦彦。光に反応すると分子構造がかわる“フォトクロミック”を用い、外にでた時(太陽光)と室内(蛍光灯)で色が変わる洋服を提案。極めてシンプルな形の服に、光によって色が変わるという仕掛けを用意し、ここ数シーズンの中では断トツのクリエションを見せた。

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