ネットフリックス(NETFLIX)のオリジナルドラマ「テラスハウス アロハステート」への出演がきっかけで一躍注目モデルへと駆け上がったのがローレン・サイ(Lauren Tsai)だ。男女6人が一つ屋根の下で生活する様子を追った恋愛ドキュメンタリー出演のきっかけから、イラストレーターとしての活動、ファッション業界で活躍の場を増やしている19歳の彼女の今後やファッションのこだわりを、米「WWD」が聞いた。
10年以上ハワイに住んでいたローレン・サイが「テラスハウス」に応募したきっかけは、当時所属していた小さなモデル事務所がフェイスブックでオーディションのフライヤーを発見したことだった。「フライヤーには、『18歳から30歳までの若くてクール、シングルの人をリアリティー番組が募集中』みたいなことが書かれてた。私はシングルだったし、ギャップイヤー(高校卒業から大学に入るまでの1年間)だったから、募集要項はだいたい満たしてるかなと思った」と話すローレン・サイ。しかしオーディションは英語で行われたため、日本のドラマだとは知らなかったという。
面接前に何人かの友達にオーディションについて話したところ「すごく『テラスハウス』っぽい番組だね」と言われ「それはない」と返していたが、「面接官が私に日本語を話せるかとか、日本語レベルを聞いてきて、そこで初めて日本のリアリティー番組だって知ったの」と振り返る。
ローレン・サイが「テラスハウス」に出演した4カ月間は、メンバーとの絆を深めると同時に、撮影にストレスを感じるのには十分な時間だった。モデルをしてきただけあってカメラの前に立つのは慣れていた。だが、世界中から観られるという心の準備はできていなかった。
「日本人のカップルや子どもが観るものだと思ってたけど、実際は『フェイダー(The Fader)』も『ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)』も取材していたし、みんな話題にしていた。なんて言えばいいのかわからないけど、『オーマイゴッド』という感じだった」。ローレン・サイはネットフリックスというプラットフォームの大きさを理解したという。ネットで叩かれたこともあったが、同時にSNSのフォロワー数は増え、彼女のイラストについても関心が集まるようになった。
「ミレニアル世代間で、アーティストという職業はネガティブなイメージがあると感じていたから、アーティストと名乗るのは気が引けた。ビデオゲームやファンタジー、アニメに囲まれて育ったけど、そういうのを嫌う人も多いから。でも今はみんないいフィードバックをくれる」と明かす。
11月にローレン・サイはスターバックス コーヒー ジャパン(STARBUCKS COFFEE JAPAN)とコラボし、クリスマス期間限定で表参道B-SIDE店の壁やテーブルなど全面を彼女が描いたイラストが飾った。現在はイラストブックの出版と展覧会に向けて準備中だという。
メイクをし終わった時、飛行機に乗っている時、どんなに忙しいスケジュールでもローレン・サイは絵を描く時間を見つける。絵を描くことで自分を落ち着かせることができるという。「どこでもスケッチブックを持ち歩いて絵を描いてたから、2017年は正気でいられた(笑)」と話す。
詳しくは明かしてくれなかったが、18年はさまざまなファッション関係のプロジェクトが控えているようだ。彼女自身も、黒一色ばかりを着ていた頃から卒業し自分らしいスタイルを探し中だという。「絵を描くのにずっと夢中だったし、黒しか着てこなかったから、見た目がそんなに重要だと考えたことがなかった。でも今、着ているものやメイク、ヘアメイクを楽しむと、気分まで変わることがわかったし、理由はわからないけど力を与えてくれるのが好き」と話す。今後どんな活躍を見せてくれるのか、18年の彼女も楽しみだ。