YKKは2018年度末で、2015年から目標に掲げてきたファスナーの年間販売量が年100億本を突破しそうだ。大谷裕明・社長は、「2017年度は計画通り、94億本の販売を達成できそうだ。そのため18年度には100億本突破が見えてきた」と、このほど東京都内で行った記者会見で明らかにした。同社は2014年3月期から、それまで弱かったファストファッションやボリュームゾーンでのシェア拡大を軸にした100億本計画をスタート。当初は16年度の達成を見込んでいた。
YKKはファスナーの世界トップ企業で、日本を始め米国、欧州、中国、東南アジア、南アジアなどに生産拠点を持ち、製造装置や原料である樹脂や銅合金などから一貫生産している。17年3月期のファスナー事業の売上高は売上高2930億円、営業利益473億円、ファスナー販売は87億7000万本だった。
14年3月期からは、ファストファッションや先進国の量販ゾーンを攻略するため、生産性を高めた新型のファスナー製造機の開発をスタート。また、昨年度からは衣料品マーケットで最大のシェアを持つ量販ゾーンを“スタンダード”と再定義し、中国やアジアなどに最新鋭機を積極的に投入した上で、中国では小ロット・短納期で対応する生産体制を構築していた。