ファッション

ガソリンスタンドをジムに!? 「リーボック」が構想する2030年

 アディダス(ADIDAS)傘下の「リーボック(REEBOK)」は建築デザイン会社ゲンスラー(GENSLER)と協力し、将来のジムプロジェクトの主軸となる3つのコンセプト、「オアシス」「コミュニティーセンター」「ネットワーク」を作成した。まだアイデア段階のため出資者などは決まっていないが、ジョン・リンチ(John Lynch)=バイス・プレジデント兼米マーケティング部門ヘッドは「将​​来はあなたが思うよりもすぐ来る。だから今から話し合いたいんだ。『リーボック』はフィットネスに本当に深く関わってきた。『リーボック』の社員なら四六時中フィットネスについて考えているよ。今世界は電気自動車や自動運転車に急速にシフトしており、2030年には2億6000万台が自動運転車になるだろうと予想している。それに合わせて、どこにでもあるようなガソリンスタンドの役割も変わるだろう。そこで、そのスペースでわれわれに何ができるか考えた」と語る。

 健康に配慮したレストランやジュースバーを設けたウェルネスセンターや、「リーボック」の製品を販売するスペースをガソリンスタンドに設けるなどを構想しているという。ゲンスラーのアーリン・ヴォーゲルマン(Arlyn Vogelmann)=プリンシパル兼スタジオ・ディレクターは、「消費者の来客頻度や使用パターンなど、フィットネスと都市デザインと経験的視点からプロジェクトを検討した」と語った。3つのコンセプトはそれぞれ違うターゲット層と使用パターンを設定しており、例えば「オアシス」はドライブスルー形式の施設で自動車を充電できる。「コミュニティーセンター」は四つ葉のクローバー型をしており、それぞれの葉で違うコーナーを設ける。また、このガソリンスタンドは地元コミュニティーのハブ的な役割を果たす他、通勤・通学バスやシャトルバスを停車させることも検討しているという。

 ゲンスラーのロンドン事務所は、テムズ川のウォーターフロント再開発や、使われなくなった地下鉄の再利用などに携わってきた。ヴォーゲルマンは、「あるアイデアに市当局や都市計画者が賛同することもあれば、アイデアだけ一人歩きすることもあるだろう。時にはアイデアが議論を呼び、地域コミュニティーの出資者に働きかけることもある。『リーボック』のアイデアは、他の都市再生プロジェクトの刺激になるかもしれない」と語った。

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