“音楽界のアカデミー賞”とも呼ばれる世界最高峰の音楽賞「グラミー賞(Grammy Awards)」の第60回授賞式が1月28日(現地時間)、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で開催された。2003年以降はロサンゼルスが会場となっていたため、ニューヨークでの開催は実に14年ぶりだ。司会を務めたのは、セレブやアーティストが車内でカラオケを熱唱するTV番組「CarPool Karaoke」で知られるジェームズ・コーデン(James Corden)。プレゼンターとして米ショービズ界が敬愛するシンガーのトニー・ベネット(Tony Bennett)、歌姫アリシア・キーズ(Alicia Keys)、今回の「ベスト・コメディ・アルバム」にノミネートもされた俳優でコメディアンのデイヴ・シャペル(Dave Chappelle)らが登場した。
主要4部門のうち「最優秀アルバム賞」「最優秀レコード賞」「最優秀楽曲賞」の3部門を、前評判通りブルーノ・マーズ(Bruno Mars)が独占。残る「最優秀新人賞」は、ユーチューブ出身歌手のアレッシア・カーラ(Alessia Cara)が受賞。「最優秀アルバム賞」「最優秀レコード賞」「最優秀楽曲賞」に加え、「最優秀ラップ・アルバム賞」や「最優秀ラップ・パフォーマンス賞」など最多8部門にノミネートされていたラッパーのジェイ・Z(JAY-Z)はまさかの無冠に終わり、同じくラッパーのケンドリック・ラマー (Kendrick Lamar)が「最優秀ラップ・アルバム賞」「最優秀ラップ・パフォーマンス賞」「優秀ラップ・ソング賞」「最優秀ミュージック・ビデオ賞」の5冠に輝いた。なお、ケンドリックは授賞式のオープニングで話題のコラボスニーカー“ナイキ コルテッツ(NIKE CORTEZ)”を着用し、U2と共に圧巻のパフォーマンスを披露した。
レディー・ガガ(Lady Gaga)は「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」のクチュールライン「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」のレースのブラックドレスで登場。「最優秀ラップ・パフォーマンス賞」と「最優秀ラップ楽曲賞」にノミネートされた女性ラッパー、カーディ・B(Cardi B)はサウジアラビア出身のクチュリエが手掛ける「アシ スタジオ(ASHI STUDIO)」のドレスで登場した。ジェイデン・スミス(Jaden Smith)は自身がディレクションを担当するブランド「エムエスエフティーエスアールイーピー(MSFTSREP)」のジャケットに「ジースター ロゥ(G-STAR RAW)」のパッチワークデニムで登場。右手の甲には昨年11月にリリースした新アルバム「SYRE」の文字を書いていた。
1月7日に開催された「ゴールデン・グローブ賞」の授賞式では、セクハラ被害者へのサポートと全産業における男女平等を訴えるキャンペーン「Time’s Up」に“連帯”の意を示し、黒のドレスコードを着用した来場者でレッドカーペットが染まった。今回もエンターテインメント界で働く15人の女性が立ち上げた団体、ヴォイシズ・イン・エンターテインメント(Voices in Entertainment)が、「Time’s Up」に賛同し、来場者に白いバラを身につけるように促した。白いバラを選んだ理由は、「白いバラは古くから、希望、平和、思いやり、抵抗に賛同するという意味がある」ためだという。
この運動に賛同し、レディー・ガガ、カーディ・B、ニック・ジョナス(Nick Jonas)らが白いバラを身につけて登場した他、「ゴールデン・グローブ賞」の授賞式で登場した「Time’s Up」のピンをつけてきた来場者もいた。