三井不動産が手掛ける複合施設、東京ミッドタウン日比谷の竣工記者会見が行われた。3月29日に開業する同施設は地下4階、地上35階で延床面積は18万9000平方メートル。デザインコンセプトは鹿鳴館をイメージした“ダンシングホール”、景観のコンセプトは“ピープル イン ザ パーク”で、日比谷公園など周辺を一望できる設計になっている。開業後は地域に根差したイベントなどを絡め、街づくりを進めていく。
約60のテナントが入る商業施設や、スポーツジムなどを備えたオフィスフロアからなる東京ミッドタウン日比谷の施設内で特徴的なのは6階の新産業創造スペースであるBASE Qだ。大手企業の新規事業担当者や、ベンチャー企業、クリエイターらが集まる同スペースには、ホール、会員制のラウンジ、カフェ、キッチンを完備。ラウンジでは三井不動産と電通、EYジャパンが共同で運営するプログラム「オープンイノベーション(仮)」が行われる。山下和則・三井不動産日比谷街づくり推進部長は「多くの施設が集積している日比谷に開業する東京ミッドタウン日比谷のオフィスは、単なるワークスペースではなく、企業の問題解決を行う場所だ」と語る。
東京ミッドタウン日比谷が目指す街づくりのポイントとなるのが“カルチャー(CULTURE)”“クリエイティビティー(CREATIVITY)”“コミュニティー(COMMUNITY)”の3つ。“カルチャー”は同施設に開設するTOHOシネマズ日比谷の他、4月26日から行われる「日比谷フェスティバル」を第1弾として、周辺施設と連携した演劇、音楽などのイベントを行っていく。“クリエイティビティー”は先述の「BASE Q」を軸に、企業のイノベーション創出を目指す。そして“コミュニティー”では近隣の日比谷公園とのつながりを感じられるよう、施設内にテラスや広場など人が行き交う場を作りつつ、地元企業や自治体と組んだイベントを行う。「いずれのポイントも、ハードとソフト双方でサポートしていくことで、年を経るごとにファンも来場者も増え、よりエリアの価値が増していく“経年優化”の街づくりが可能となる」と菰田正信・三井不動産社長。
三井不動産が手掛ける東京ミッドタウンは六本木に続き2つ目となるが、今後の同施設の展開について菰田・社長は「複数の物件に当たりをつけている。ただ、まだ先方との話し合いの段階のため具体的にどこかは言える段階ではない」としている。