「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」「GQジャパン(GQ JAPAN)」「ワイアード ジャパン(WIRED JAPAN)」を発行するコンデナスト・ジャパン(CONDE NAST JAPAN)はセクシャルハラスメントの問題に取り組むために、コンデナスト・インターナショナル(CONDE NAST INTERNATIONAL)が策定した行動規範を2月1日から適用実施することを発表した。
この行動規範はパートナーとのガイドラインを提示し、安全で敬意を払う環境を作り出すためのものであり、「基本的に全てのモデルは18歳以上であること、写真、動画撮影中に遂行される仕事は全て、労働法、賃金・労働時間法、移民法などを含む適用法令を遵守している必要があること、写真や動画撮影に参加する人はアルコールや違法薬物の影響を受けた状態にあってはならず、撮影が行われる敷地内でのアルコールや違法薬物の摂取(処方薬の乱用を含む)を固く禁ずる」ことといった他に、「体が透けて見えるような衣類が使用される場合、写真の被写体となるモデルと事前の合意がない限り、適切な下着を提供する必要がある、撮影もしくは撮影現場での肌の露出度に関し、被写体モデルが抵抗を感じる場合、撮影側は被写体が感じることを尊重する必要がある、コンデナストの撮影に参加する写真家、メイクアップアーティスト、あるいはその他のコントリビューターとモデルが二人きりにならない」などが盛り込まれている。
コンデナスト・インターナショナルと米コンデナスト(CONDE NAST)社は、15人の男性モデルが写真家のブルース・ウェーバー(Bruce Weber)とマリオ・テスティーノ(Mario Testino)によるセクハラを告発した記事が1月13日付けの「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」紙に掲載されたことを受け、行動規範の原則を同紙面で掲載し、両写真家と絶縁する旨を発表している。また同社は過激な性表現で知られる写真家のテリー・リチャードソン(Terry Richardson)も起用しない方針を打ち出している。
さらに、コンデナスト・ジャパンは2月1日付けで増田さをり「ヴォーグ ジャパン」ファッション・マーケット・ディレクターをファッション・ディレクターに、アンナ・デッロ・ルッソ(Anna Dello Russo)=同ファッション・ディレクター・アット・ラージ / クリエイティブ・コンサルタントをクリエイティブ・ディレクター・アット・ラージに任命した。「今後とも、増田さをりとアンナ・デッロ・ルッソは、引き続き『ヴォーグ ジャパン』のハイクオリティーなクリエイティブをともに制作する」としている。