そごう・西武は、プライベートブランド(PB)「リミテッドエディション(LIMITED EDITION)」を始めとした自主商品開発事業を2月末で終了する。不採算店舗の閉鎖など、構造改革を進める中、利益を出していない自主商品開発事業も撤退を余儀なくされた。「リミテッドエディション」は2009年にそごう・西武の商品戦略の切り札として登場。衣料品、靴、服飾雑貨、食器など幅広い分野で展開され、カール・ラガーフェルドとのコラボレーションが話題になったが、収益に貢献できなかった。同社は商品戦略を抜本的に見直すことになる。
そごう・西武は3月1日付で組織変更を行い、PBを手掛けてきた「自主事業部」「自主商品部」を解散する。全国にある「リミテッドエディション」の売り場も2月末で閉鎖する。親会社であるセブン&アイ・ホールディングスのオムニチャネル戦略の象徴として注目を集めた「セットプルミエ(SEPT PREMIERES)」も終了する。
近年、大手百貨店は低迷する衣料品販売の打開策としてPBを強化しているが、そごう・西武による「リミテッドエディション」「セットプルミエ」はその先頭を走ってきた。百貨店が自ら商品企画に乗り出し、上質な商品を比較的値ごろ感のある価格で販売するとともに、田山淳朗、島田順子、高田賢三、カール・ラガーフェルド、ジャン・ポール・ゴルチエら国内外の有名デザイナーとの協業で新規客を呼び込もうとした。だが、百貨店で一般的な消化仕入れと異なり、在庫リスクを持って売り切るPBのビジネスモデルを体得するのは難しかったようだ。「リミテッドエディション」はピーク時には約100億円の売上高があったが、17年2月期は約60億円に縮小していた。