アットコスメ(@COSME)を運営するアイスタイルの2017年7〜12月期連結決算は売上高が前年同期比64.4%増の138億5100万円、営業利益が同65.9%増の12億1300万円、経常利益が同76.0%増の12億4900万円、純利益が同47.3%増の6億9900万円と増収増益だった。サイトの運営などを含むオンプラットフォーム事業の売上高は同9.3%増の36億4500万円、アットコスメストアなどのビューティサービス事業は同52.6%増の56億8600万円、グローバル事業は同202.9%増の38億3700万円、その他事業が同606.4%増の6億8400万円だった。
オンプラットフォーム事業では、ベストコスメ賞の発表時期も重なり、広告コンテンツの企画や需要の拡大が売り上げをけん引した。また、17年12月に一般ユーザー向けのアプリ「アットコスメ」をリニューアルした他、美容のスペシャリスト向けのアプリ「アットコスメ プロ フォー ビューティ スペシャリスト(@COSME PRO FOR BEAUTY SPECIALIST)」をリリースした。「アットコスメ」のアプリでは、最新の美容トレンドを発信するだけでなく、美容のスペシャリストをフォローしたり、メッセージを送ることができる機能、欲しい商品を取り扱う店舗の検索などの機能を搭載。「アットコスメ プロ」は美容のスペシャリストがユーザーをフォローしたり、繋がったユーザーの興味や動向の把握、サービスの予約機能などを提供し、プロとユーザーのつながりを強化。ビューティサービス事業はランキング上位の商品の取り扱いを強化した他、「アットコスメ」からの送客を促しECサイトの売り上げは同47.3%増、店舗は同34.9%増を記録した。また、オリジナルブランド「アットコスメニッポン(@COSME NIPPON)」のフェイスマスクも海外で人気を得て、売りげに貢献した。
下期はさらにオンプラットフォーム事業を充実させる。18年3月1日には、美容、テクノロジー、デジタルマーケティング、サイエンスなどの分野に精通した国内外の執筆者が情報を届ける新メディアサイト「ビューティテック」をローンチし、18年中旬には海外向けに英語版を始動する予定。4月にはブランドに情報発信やユーザーの分析、他社ブランドの情報収集が可能な月額制のBtoBサービスをスタートし、20年度までには800ブランドとの契約を目指す。また、国内外の出店も進める。18年3月にはルミネ大宮とららぽーと富士見にアットコスメストアを出店し、「ディオール(DIOR)」「イヴ・サンローラン・ボーテ(YVES SAINT LAURENT BEAUTE)」「クリニーク(CLINIQUE)」「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(GIORGIO ARMANI BEAUTY)」など外資系の百貨店ブランドを多くそろえより幅広いブランドのラインアップを図る。海外は台湾と香港に1店舗ずつ出店する予定だ。
同社は16年度から4カ年計画「Road to 2020」を策定しており、20年までに売上高500億円、営業利益70億円、海外の売り上げ比率20%を目指す。吉松徹郎・社長は「中期事業計画を発表して約1年半経つが、少しずつ手応えを感じるようになった。『アットコスメ』のユニークユーザーが1620万人を超え、今後アプリのリニューアルでさらなる成長を見込む」と語った。