楽天は、フリマアプリサービスの「フリル(FRIL)」と「ラクマ(RAKUMA)」を統合する。「フリル」はベンチャー企業のファブリックが2012年7月にスタート。楽天は14年11月に自社で開発した「ラクマ」をリリースしていたが、16年9月にファブリックを買収し、2つのサービスを併用して走らせていた。両者は手数料無料サービスを実施するなど、直近では両サービスの合計で月間の商品取扱高が80億円を突破、「フリル」は昨年10月にはダウンロード数が1000万を突破していた。C2Cサービスを統括する松村亮・楽天執行役員は、「2つのサービスを並走していては経営資源が分散する。統合で、なんとしても18年内に年換算で商品取扱高2000億円を達成したい」と意気込む。
ユーザー数の多い「フリル」に「ラクマ」会員を誘導、その後「フリル」を「ラクマ」に名称変更する。今後もファブリックが新生「ラクマ」を運営することになるが、経営体制に関しては変更しない。本格的なフリマアプリとしては「メルカリ」よりも早くスタートしていた「フリル」は、ファッションに強く女性会員も多い。「ラクマ」と統合することで男性比率を高め、ユーザー数の裾野も広げていく。松村執行役員は「この1年、プロモーションなどに戦略的に投資し、非連続的な伸びを達成できた。でもまだまだ拡大するフェーズ。今は利益よりも、 “グロース(成長)”重視。積極的なプロモーションに加え、“農業女子”とコラボした野菜販売など、新しい手をどんどん打っていく」。