越境ECのインアゴーラ(東京、翁永飆・社長)が2月8日、東京・青海にある中国向け越境EC「ワンドウ」の物流倉庫の一部をショールームとして開放した。中国の旧正月にあたる春節に合わせて、「日本の人気商品を購入前に試したい」という訪日客の声に応える。訪日客にとっては日本で買い物をすることで、免税価格で購入できるというメリットがある。
285平方メートルのショールームには「ワンドウ」で扱う4万SKUからセレクトした1200SKUを並べる。オープン時間は10〜18時。化粧品をメーンに、アパレル商材や食品をそろえる。100年以上続く日本の老舗企業だけを集めた特設サイト「100年100社プロジェクト」の商品も集め、日本各地にある逸品・名品を一挙に見ることができる空間を作った。
「ワンドウ」アプリのバーコードリーダーで商品コードを読み取ると、中国語の商品説明や口コミなどが表示される。気に入った商品はその場で「ワンドウ」から注文をし、宿泊先ホテルや空港カウンターで受け取ることができる。物流倉庫は最寄駅からは少し距離があるため、団体客には事前予約によるバスの手配などを計画する。まずは、試験的にスタートするが、今後もニーズに合わせて継続利用を検討しているという。
インアゴーラはキングソフトの翁永飆(おう・えいひょう)社長が2014年12月に設立。日本の商品に特化した中国向けECアプリ「ワンドウ」を手掛ける。「ワンドウ」には東急ハンズ、ロフト(LOFT)など美容ブランドや日用品を中心に、2600ブランド・4万SKUが出店。中国の100以上のSNSメディアやKOL(キーオピニオンリーダー)と連携し、販売を行う。17年10月には伊藤忠商事とKDDI、SBIホールディングスなどから第三者割当増資による総額6800万ドル(約76億円)の資金調達を実施した。