「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN以下、ルブタン)」とオランダのシューズチェーン、ヴァン・ヘイレン・シェーネン(VAN HAREN SHOENEN)が赤い靴底の靴の販売を巡り争っている件について、欧州司法裁判所のマチェイ・シュプナール(Maciej Szpunar)法務官が「ルブタン」側に不利な意見を述べた。
「ルブタン」は代名詞ともいえるレッドソールについて商標登録しており、ヴァン・ヘイレン・シェーネンが販売する赤い靴底の靴の販売停止を求め訴えを起こしていた。これに対して欧州司法裁判所のシュプナール法務官は、EUでは色と形を組み合わせた商標は無効と判断される可能性があることを示唆。通常、係争中の事案についてコメントを出さない「ルブタン」は、この意見が与える影響の大きさを考え、「法務官の意見はミスリーディングだ。『ルブタン』の赤い色が商標に保護されているのはひとえにマーケティングの努力のたまものであり、赤い底のハイヒールが『ルブタン』を想起させるからだ』」と異例の反論コメントを発表した。
「ルブタン」のレッドソールを巡っては、過去にも訴訟が起きている。2012年には「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」が赤い靴底の靴を販売したことを受けて提訴した。この時は、一審で「ルブタン」が敗訴したが、二審では靴底と上部の色にコントラストがある場合にのみ「ルブタン」の商標権が認められると部分的に認定し、「イヴ・サンローラン」が販売した赤い上部に赤い靴底のシューズは商標権の侵害に当たらないと判断した。