東京都・中央区にある区立泰明小学校の標準服が今春から「アルマーニ(ARMANI)」デザイン監修になると日本版「ハフポスト(HUFFPOST)」が2月8日付けで報じた記事が大きな話題になっている。泰明小学校は当日会見を開き、対応に追われている。
同校の標準服はこれまで男子の場合は、上着、長袖シャツ、ズボン、帽子をそろえて1万7755円、女子は1万9277円で、新標準服はおよそその2倍になるという。一部の報道では9万円近くになると報じていたが、それは、洗い替えのシャツもそろえた春夏・秋冬用併せて一式の価格のようだ。
「ハフポスト」によると、この新標準服導入に関し、「公立小学校の制服なのに高い」「新標準服に切り替わる知らせが入学半年前の2017年9月であり、在校生も同月に知らされ、決定に至るまでの説明が不足している」「変更した理由が分からない」といった声が上がっているという。「標準服」は必ずそれを着用しなくてはいけないという決まりはないが、実質「制服」の役割を担っている。
デザイン監修をした「アルマーニ」のジャパン本社に問い合わせると「今回の件について一切の経緯、コメントは差し控える」との回答があった。なお、今回のような標準服の監修は、ブランドとしては初のことだ。
アルマーニ / 銀座タワータワーと泰明小学校は同じ中央区銀座5丁目にあり、目と鼻の先の距離にある。報道がなされた同日の昼頃に泰明小学校に向かうと報道メディアが門の前で保護者にコメントを求めており、「私たちも詳細は分かりません」と足早に歩いていく保護者の姿が見られた。
事前にPTAに詳しい説明がないまま、ほぼ和田利次・校長が独断で決めたとされ、それに対し和田校長は、17年11月17日付の保護者向けの文書で「なぜアルマーニ社かというと、他のブランドにもアプローチをしましたが、程合いの違いはあるが、受け止めてもらえなかったというのが結論です。アルマーニ社だけが、思いを聞いて下さり、検討はしてみますが時間がかかります。お約束はできませんということで3年前から、遅い歩みではありますが話が進んでおりました。また、視覚から受ける刺激による『ビジュアル・アイデンティティー』の育成は、これからの人材を育てることに不可欠である『服育』という重要な教育の一環であると考えている」と説明したという。