米国三井物産は、カナダ・バンクーバーに拠点を置くメード・トゥ・メジャーのスーツブランド「インドチーノ(INDOCHINO)」に投資することを発表した。「インドチーノ」の北米におけるブランドの認知度向上や、世界展開やサプライチェーンへの投資を行う。投資額などの詳細は非公表。
ドリュー・グリーン(Drew Green)=インドチーノ最高経営責任者(CEO)は、「何年も前から三井物産と組みたいと思っていて、今回ついにパートナーとして迎えられたことを誇りに思う。当社は、簡単かつ手ごろにピッタリの服を手に入れられる体験を男性に提供する新たな方法を確立した。当社の好調な業績は消費者のニーズに合致し、メード・トゥ・メジャーがレディ・トゥ・ウエア(既製服)に代わる新たな本流となりつつあることの証明だ。三井物産のインターナショナルなビジネスに関するノウハウと実績は、グローバルなアパレル企業として成長するために必須だ」とコメントした。
それに対して岩井孝之・米州本部コンシューマーサービス事業商品本部長兼米国三井物産シニア・バイス・プレジデントは、「ドリューと彼が率いるチームはインドチーノを業界随一のイノベーティブでダイナミックな企業へと成長させることに成功した。長期的な目標達成のために協業できることをとても楽しみにしている」と語った。
インドチーノは米国三井物産の他にも複数の企業と協力関係を結んでいる。世界最大のスーツ製造業社ダーヤン・グループ(DAYANG GROUP、大楊創世)は2016年に3000万ドル(約32億7000万円)を投資し、カナダ最大のメディア企業ポストメディア ネットワーク(POST MEDIA NETWORK INC.)ともパートナーシップを結んでいる。
インドチーノの売上高は非公表だが、17年に前年比50%増を達成し、10カ所あったショールームの数も20へと倍増したという。
三井物産の木原伸一ファッション・繊維事業部長は「米国のミレニアル世代に支持されるビジネス手法を学ぶつもりで投資を決めた。採寸による細かい身体データや素材の好みなど、顧客のデータを次の戦略に生かす手法に関心がある。すぐに日本で展開するつもりはないが、まずは米国でじっくり育てた後、アジアに進出するのであれば当社がサポートしたい」と話す。