メルカリ(MERCARI)が27日、スマートロックを製作するtsumugと共同開発したGPS内蔵の非電動自転車を使い、福岡市内でシェアサイクルの利用を開始する。「メルカリ」とID連携できる専用アプリ「メルチャリ(MERCHARI)」で最寄りの自転車ポートを探し、自転車にあるQRコードをアプリで読み取ることで開錠する仕組み。利用後は近くのポートに返却し、鍵をかけるだけだ。運営は2015年9月に設立されたメルカリ子会社のソウゾウが行う。
料金は1分4円の利用に応じた課金制で、15分程度の短い利用を想定した料金体制だ。ローンチ時点ではアパホテルやファミリーマートなど法人企業13社と連携し、50カ所のポートを用意。400台の自転車を設置する。今後は提携会社を増やしながら夏までに200カ所、2000台を目指す。今後は自宅などの個人スペースを一般ポートとして募集することで、設置場所を一気に増やす計画だ。
また、放置自転車という最大の課題に対して、報告や自転車の移動を手伝うことでポイントが貯まる「助け合いコミュニティー」を導入。ポート外に放置された自転車もアプリ上に表示されるため、それを利用して正規ポートまで移動した場合は15分間利用無料といったサービスを設ける。これら個人の力を利用することで安全な利用環境を作るとともに、“いつでもどこでも利用できる”環境を整える。損保ジャパン日本興和と提携した保険プランも用意する。
松本龍祐ソウゾウ社長は、「当社にとって、初めてのオフライン事業。メルカリが目指す“所有から共有へ”という考え方に合致するサービスだ。福岡はカスタマーサポート拠点を置く場所でもあり、ある程度公共交通機関も発達したフラットな土地だということで選定した」と話す。今後は利用データに応じて、設置の最適化を行う他、ポートを増やすといった利便性の向上と運営体制の構築、提供エリアの拡大を目指す。