若い女性特有の“甘い香り”は、ラクトンC10(γ-デカラクトン)とラクトンC11(γ-ウンデカラクトン)という成分であることが、ロート製薬の研究で分かった。γ-デカラクトンはキンモクセイ、γ-ウンデカラクトンは桃の香りを構成する成分であることが知られている。
同社は加齢による女性の体臭変化に関する研究を行う中で、“スイート臭”と呼ばれる若い女性特有の香りに着目。10~50代の女性50名が約24時間着用した布を、6段階臭気強度表示法を使って官能評価を実施した。その結果、10〜20代と比べると30代以降では“スイート臭”が減少することがわかった。さらに、“スイート臭”の官能スコアの高いものと低いものをガスクロマトグラフィー質量分析計で分析し原因成分を調べたところ、“スイート臭”がラクトンC10とラクトンC11であることが判明した。
また、香りと印象を関連付けるアンケート調査では、加齢臭の原因物質であるノネナールや石鹸香料と比べラクトンC10とラクトンC11には若々しさや女性らしさ、強い魅力を感じるという意見が多かったという。同社は「女性の加齢臭に対するアプローチとして、単純に洗浄によって落とすだけではなく、ラクトンC10、ラクトンC11の香りを付与することで、女性の加齢臭の悩みに対してより効果的なアプローチが可能であると考える」としている。