ストライプインターナショナルとソフトバンクは、合弁会社ストライプデパートメントを設立し、F2層(35~49歳の女性)に向けたECモール「ストライプデパートメント(STRIPE DEPARTMENT)」を15日スタートした。三越伊勢丹や三陽商会、レナウンなどが参加し、百貨店取り扱いブランドをメーンに、高品質で高感度な600ブランド、6万点以上の商品をラインアップ。ストライプが展開するブランドは取り扱わず、ECプラットフォーム事業として運営する。客単価は1万4000円を想定。アパレルと雑貨の比率は6:4で、ウイメンズ8割、メンズ2割で構成し、今後は化粧品の取り扱いも予定する。初年度取扱高は16億円、3年後には100億円を目指す。
ストライプデパートメントは資本金4億4000万円で、ストライプが77.8%、ソフトバンクが22.2%を出資。社長はストライプの石川康晴・社長が兼任し、ヤフー出身の佐藤満氏が専務取締役としてシステム面を担い、三越伊勢丹ホールディングス出身の近内哲也氏が常務取締役として出店企業への営業を統括する。
F2層に向けたECモールが手薄なことに加え、特に地方の消費者の不便に応えることを目的に開発された。地方百貨店の相次ぐ閉鎖やファッションフロアの縮小によって、ベターゾーンを好む地方在住のF2層が行き場を失っており、オンラインで百貨店同様のショッピング体験を提供できれば商機が大きいと読んだ。
ストライプがこれまで培ってきたファッションマーケティング力を生かした企画と、ソフトバンクのテクノロジーを掛け合わせる。その代表が“試着サービス”“パーソナルスタイリング”“AIチャットボット”の3つのサービスで、「試着ができない」「接客ができない」というECが抱える課題を解決する。試着サービスでは、一度に3着まで試着ができ、8日間返送無料を実現する。パーソナルスタイリングは、ユーザーのサイズや好み、予算などのアンケートをもとに、パーソナルスタイリストがチャットによる接客を行う。AIチャットボットでは、ソフトバンクのチャット接客システムOK SKYを導入し、24時間いつでもユーザーの質問に答える。購買履歴などを通じパーソナライズされた接客サービスを提供する。
サイト内では、モデルやスタイリストが登場する特集記事も載せる。スタート時には雑誌「ヴェリィ(VERY)」などで活躍するモデル滝沢眞規子やスタイリスト大草直子らがスタイリング提案や連載を持ち、ファッションメディアとしての情報提供を行う。
2月15日に会見した石川社長は、「地方の百貨店の閉店や百貨店での取り扱いブランド数が減ってきている現状を踏まえ、日本全国のお客さまに百貨店同様の商品を届けたいという思いがあり、立ち上げた。3年後には2000ブランドの取り扱いを目指し、F1層(20~34歳)の『ゾゾタウン(ZOZOTOWN)』とF2層のストライプデパートメントと言われるような日本一のECデパートメントの構築に注力する」と意気込みを語った。今秋にはハイブランドの取り扱い、来春にはセレクトショップの参加を予定している。