ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS以下、UA)が年に1回開催する恒例の社内接客ロールプレイングコンテスト「束矢グランプリ」が、2月14日に新宿京王プラザで開催された。全事業部から予選を経て選出された代表販売スタッフ8人が、経営陣や全店の店長が見守る中、接客技術を競った。審査員は竹田光広・社長執行役員をはじめとする役員5人。9回目の開催となった今年は昨年同様“またこの人に接客して欲しい”をテーマに、どれだけパーソナルな提案ができるか、再来店の促しができるかなどを基準に採点して1〜3位を決定した。
1位に輝いたのは、「ロク ビューティ&ユース(6 BEAUTY & YOUTH)」渋谷キャットストリートの栗栖亜矢さんだ。「ロク ビューティ&ユース」に立ち上げ時から携わっている栗栖さんは、尊敬している上司や支えてくれた後輩への感謝を述べつつ、「AIの勢いもあるが、最高の仲間とともに実店舗を盛り上げたい」と涙ながらに語った。
2位は「ドゥロワー(DRAWER)」日本橋三越店の西澤麻美さん、3位は「ユナイテッドアローズ アウトレット(UNITED ARROWS OUTLET)」御殿場店の篠木真雅さんが選ばれた。
同大会の目的は、接客販売における成果の共有や接客技術・スキルを高め合うことを通じて販売員の接客販売レベルを向上させることだ。今年は、ロールプレイングの時間を昨年の7分間から11分間に延ばした他、客が商品を買わずに帰るパターンを用意した。
竹田社長が同大会で繰り返していたのは“リアルな接客”というキーワードだ。「先日アウトレットに行き篠木さんの接客を見たが、ロールプレイングでもそのままの篠木さんの接客が出せていた。他の2人も普段通り自然体の接客だったのではないかと思う」と受賞者3人を評価した。
8人のロールプレイング中、客が商品を買った場面はなかった。しかし、それぞれ客が気に入った商品の品番を控えたり、名刺を渡すなどして次回の来店につなげていた。「ロープレ大会は基本的に商品が買われることが前提になっているが、現実は買われないことの方が多い。そこに何があるのかというのを追究したい。11分になる前にお客さまが退店されたパターンもあったが、それはそれで現実だ。今年も、お客さまがあらかじめチェックしていた商品をスマホで見せてきたり、スタッフがiPadを見せながら接客するというシーンがあったが、これはもう当たり前になっている」と話す。
ロールプレイングの時間は昨年の7分間から今年は11分間に延ばしたが、受賞した3人は声をそろえて「長く感じなかった」と言う。11分に延び、商品点数も増えたことで、普段の自分らしい“リアルな接客”ができたと振り返る。「“リアルな接客”こそがロールプレイングの大テーマ」と話す竹田社長。来年も今回のフィードバックをもとに評価基準を修正し、時代に合わせた”リアルな接客”を追求し続ける。