フォッシルグループ(FOSSIL GROUP以下、フォッシル)の2017年12月通期決算は、売上高が前期比8.3%減の27億8800万ドル(約3011億円)、前期の7890万ドル(約85億円)の黒字から4億7820万ドル(約516億円)の赤字に転落した。
コスタ・カーツォティス(Kosta Kartsotis)社長兼最高経営責任者(CEO)は、「17年は、予想通り売上高と利益に課題が残ったが、ウエアラブル製品の増加、サプライチェーンコストの削減、デジタル強化、事業変革などの目標に向かって前進した。ホリデーシーズン前には各ブランドでスマートウオッチを発売したが、『マイケル・コース(MICHAEL KORS)』では好スタートを切ることができ、『アルマーニ(ARMANI)』では9〜12月期のウオッチの売上高が2ケタ増を記録した。グループ全体では計14のブランドでハイブリッドディスプレーやスマートウオッチを発売した。ウエアラブル事業を確立するのは決して簡単な道ではなかったが、ウエアラブル事業への投資は売り上げ目標ときちんと調整しており、18年は売上総利益率が上昇する段階に入る」と話す。
カーツォティス社長兼CEOは、フォッシルは小規模だが収益性の高い企業の実現に向けて着実に進歩しているとし、「革新的だが伝統的なスタイルも兼ね備えたスマートウオッチを提供しつつ、ハンドバッグやジュエリーのカテゴリーのパフォーマンスを向上させ、オンラインでの売り上げを増やすのが最優先事項だ」と言う。
決算発表を受け、フォッシルの14日の株価終値は前日比87.7%増の16.97ドル(約1832円)に急騰した。フォッシルのウエアラブル事業の売上高が1年で倍増して3億ドル(約324億ドル)に達し、第4四半期に売上高が予想を上回ったことが要因だ。しかし、証券会社ウェルズ・ファーゴ(WELLS FARGO & CO.)のアナリスト、アイク・ボルシャウ(Ike Boruchow)は、フォッシルの株価が過去1年間で70%下落したことを指摘している。