PHOTO BY YOSHIAKI HIKINUMA
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桂由美が手掛ける「ユミカツラ(YUMI KATSURA) 」は2月20日、迎賓館赤坂離宮(以下、迎賓館)で初のファッションショーを開催した。迎賓館は、海外の賓客を接遇するための施設として使われる、国宝に指定されている建築物で、ファッションショーの会場として使用されるのは今回が初めて。本館で一番広い、フランス18世紀ルイ16世様式の内装が施された羽衣の間を舞台に、2018年の新作を発表した。国宝での初のファッションショーということもあり、テレビ番組やウェブメディアなど国内外の65媒体が集まり、注目の高さがうかがえた。
今回登場したドレスは、1月にパリのオートクチュール期間中に発表したコレクションを日本版として再編集したもの。“BEYOND EAST & WEST ~日本の伝統工芸技術の革新と創造を世界へ~”をテーマに、伝統技術を取り入れた着物やウエディングドレスをはじめ、葛飾北斎の日本絵や、尾形光琳や伊藤若冲などの作風から着想を得た和洋折衷のイブニングドレスを披露した。
友禅の技術にフォーカスした“ユミカツラ・ジャパネスク(YUMI KATSURA JAPANESQUE)”のラインでは、北斎を代表する「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を手描きの友禅であしらったり、「北斎漫画」の横綱と町娘の絵を刺しゅうしたり、絵の迫力をドレスで表現した。また、北斎からも影響を受けたというクロード・モネの代表的な絵画「睡蓮」の絵をジャカードや友禅で表したドレスも登場した。
桂デザイナーは「40年前に迎賓館を見せてもらう機会があり、その頃から“ここでショーがしたい”と依頼をし続け、長い間の念願が叶った」と満面の笑みで語った。また「毎年開催している東京でのコレクションは今回で53回目。ずっと和と洋の両立を目指してきたが、今回は和と洋を超えた別世界を作りたいと思っていた。今、世界では和食などを含めて日本ブームであり、第3ジャポニズム期だと感じている。一過性のモノではなく、日本の文化を世界へ広めていくことこそがわれわれ日本人デザイナーのやるべきこと」と主張した。