リリコイバターを食べたことはありますか?ハワイのお土産として知られていますが、日本での周知度はまだあまり高くはありません。“リリコイ”とはハワイ語でパッションフルーツを意味する言葉で、その名の通りパッションフルーツのスプレッド。現地では、朝食に欠かせない品として人気があり、パンに塗ったり、ヨーグルトにかけたりして親しまれています。国産のリリコイバターはまだまだ少ないですが、とっておきの逸品を千葉で見つけました。房総半島の海に囲まれた館山市でパッションフルーツを育てるリョウズ ファーム(RYO’S FARM)のリリコイバターです。
南米原産のパッションフルーツは、日本では沖縄県や鹿児島県を中心に栽培されていますが、リョウズ ファームでは、ビニールハウス栽培で年間約2万個を生産しています。パッションフルーツは皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないβカロテンがとても豊富で、抗酸化作用によりアンチエイジングにも効果的な果物と言われています。
リョウズ ファームのリリコイバターの最大の特徴は、種までパッションフルーツをまるごと使うところ。農家ならではの加工品という発想から誕生したリリコイバターには、こだわりがたくさん詰まっています。「パッションフルーツを作り始めた当初、農家なら“生の実”で勝負しようと思っていたため、加工品には興味がなかった」と話すリョウズ ファーム園主の梁寛樹さん。ファーマーズマーケットで交わしたハワイ帰りのお客さんとの会話がきっかけでリリコイバターを作り始めたそうです。パッションフルーツとバター、卵、砂糖のみで作るリリコイバターは、まるで果実をそのまま食べているようなフレッシュな甘酸っぱさがたまりません。
「パッションフルーツの最大の魅力は香り」と言い切る梁さんが作る、パッションフルーツの特徴を存分に生かした爽やかで濃厚な香りのリリコイバターは、一度食べたらやみつきになること間違いなしです。プチッとした食感も新鮮。私は「種こそパッションフルーツの魅力!」と思っているので、千葉県生まれの種入りリリコイバターをぜひ味わってほしいです。パンの新しいおともにおすすめです。