ジョシー(JOCY)がスタートさせた美容室定額利用サービス「メゾン(MEZON)」。現在は事前登録の受け付けをしているが、実際の店舗でのサービス利用は3月中旬からを予定している。これまで1店舗、もしくは同じグループ会社内で定額利用サービスを行う美容室はあったものの、「メゾン」のように複数の美容室が参加する例はこれまでになかった。今回、鈴木みずほ・ジョシー最高経営責任者(CEO)に「メゾン」を始めた理由とその狙いを聞いた。
WWD:「メゾン」を始めた理由は?
鈴木みずほ(以下、鈴木):ひと言でいうと、「美容室をもっと身近に感じてほしい」からです。美容室で仕上げてもらった髪は、艶もヘアスタイルもキレイで、女性にとっては美容室を利用することは大きな自信を得られる機会の一つ。女性は平均して2カ月に1回美容室に通っているが、「メゾン」を通してキレイになれる機会を増やし、お客さまに自信を提供していきたいと思っています。
WWD:「メゾン」を利用することによるユーザーのメリットは?
鈴木:周りの女友だちから、トリートメントやシャンプー、ブローなどカット以外で美容室に行きたいという意見をよく聞いていたこともあり、「メゾン」では美容室のサブメニューの提供に特化しました。月額定額制にすることで1回の料金を抑え、定期的に上質なサービスを受けられるようにしました。サービス開始前に各美容室と入念に打ち合わせをし、概算になりますが8000円のメニューが5000円、1万4000円のメニューが1万円程度で受けられます。
WWD:美容室側のメリットは?
鈴木:美容室のメリットは2つあります。1つ目は新規顧客獲得、2つ目は年間の固定客を獲得することができるということです。
WWD:美容室は顧客を囲い込むことを重視している。「メゾン」のような複数の美容室を行き来できるサービスに対して、否定的な意見はなかったか?
鈴木:始める前はその懸念もありましたが、思っていたほど否定的な意見はなかったです。やはりカットやカラーといったメインメニューではなく、サブメニューに特化している点が、美容室側に受け入れられた要因だと思います。
WWD:提携サロンには有名美容室も多いが、最初からつながりはあったのか?
鈴木:最初は全くつてがない状態からスタートしたので、1軒1軒電話をしました。幸い大手の美容室にも受け入れていただくことができました。現在では30店舗以上が提携サロンとして参加してくれています。