「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」は、24日にミラノで開催した2018-19年秋冬コレクションの冒頭で、ドローンを使った演出を取り入れた。手掛けたのは日本のRhizomatiksで、モデルのごとく整然とランウエイを“歩く”ドローンの様子に観客からは大きな歓声が上がった。
観客には事前に、演出に影響を及ぼすという理由ですべてのWi-Fiを切るようアナウンスがあった。会場でも多言語で繰り返しアナウンスを流し、スタッフが客席をまわりWi-Fiを切るよう促すも、すべての観客がWi-Fiを切った状態にはなかなか至らず。それだけが理由ではなさそうだが、ショーは約40分遅れでスタートした。
ショーが始まるとステージ上の扉が自動で開き、中からモデルに扮したドローンが1台、また1台と登場。まずは横1列に並んで全貌を披露し、続いてランウエイを等間隔でカメラ席まで飛んだ。ドローンが“持って”いたのは、新作バッグ“ファッション ディヴォーション(Fashion Devotion)”。万が一に備えてか、白衣を着たスタッフ2人がランウエイに立ったが、途中でバッグを落としたり、ランウエイからはみ出したりといった乱れた動きは一切なく、完璧な“ウォーキング”を見せた。
同ブランドはここ数シーズン、ミレニアルズのインフルエンサーをモデルに起用したショーを行ってきたが、今度はドローンをモデルに採用。ランウエイを作り、観客とカメラマンを集め、モデルがその中を歩いて新作を発表するという、ある意味で古典的なファッションの見せ方ながら、その中に“今”を取り入れ、話題を喚起し続けている。
肝心の服は、シチリアレース使いのコルセットドレスや、アニマル柄のタイトスカートにシルクのブラウス、マスキュリンなテーラードスーツなど、ベースは変わらず。同時に、ダボダボのジャージー風セットアップや、フーディーやスニーカーなど、ストリート&スポーツなアイテムが増え、それらをビジューや宗教的なアイコンでたっぷり飾って「ドルチェ&ガッバーナ」風に仕立てている。数シーズン、デザイナー自身がミレニアルズと直接対話を続けてきたことがデザインに反映されているようだが、それが違和感なくブランドの世界観に溶け込んでおり、対話の成果は大きかったと言えそうだ。