最近、女性美容師の人気が増している。人気サロンの「アピッシュ(apish)銀座店」が行った調査では、女性顧客の約7割が「女性美容師を指名したい」と答えている。アピッシュの他、「ケンジ(KENJE)」などの著名サロンも女性スタッフ限定サロンをオープンし、軒並み人気を博している。ここは、サロンワークはもちろん、その生き方そのものが注目を集める11人の女性美容師を紹介する。
そもそも“カリスマブーム”以前は、美容師は「女性が一生続けられる職業」の筆頭だった。カリスマブームを経て緩やかな“イケメン美容師ブーム”起きたことで、首都圏では男性美容師が増え、テレビや一般誌などのメディアにも数多く取り上げられた。そうしたブームがようやく落ち着き、本来の姿に戻りつつあるのだろう。
女性美容師の人気の理由は、心から顧客に共感できることだ。現在、サロンのメインターゲットになっている40代女性は、薄毛や白髪、シワといった悩みが出てくる年代。女性は「美しくなるための方法」は男性に相談できても、「悩みをカバーする方法」は相談しにくいようだ。
一方、取材をして印象に残ったのが“ママ美容師”の働き方の課題だ。美容師のなり手が減少している現状では、経験を積んだママ美容師は貴重な戦力であるにも関わらず、就業時間の問題、他のスタッフとの関係などの問題で復帰できずにいるケースも多い。就業時間が自由になる面貸しサロンや、ママ美容師に理解のある低価格チェーンに流れるケースも少なくない。ヘアサロンでは、「ディーア(dea)」や「ラミエ(Ramie)」など、理解のある女性がトップに立つサロンには、復帰しやすい空気があるようだ。
仕事のみならず、“人生”に関しても経験豊富なママ美容師は、「顧客に共感できる」という点でも理想の存在。「女性が一生続けられる職業」としての美容師像を復活させられるか、サロンの取り組みに掛かっている。