そごう・西武は、首都圏基幹店の1つであるそごう横浜店の1階化粧品フロアを3月から段階的に改装する。第1弾として3月16日にライフスタイル系ブランドを集積したゾーンを拡充。6月にスキンケアゾーン、8月にグローバルゾーンをそれぞれ拡大し、1階を化粧品ブランドのみで構成。さらに地下1階にも施術系ブランドをそろえ、日本最大級のビューティ・コスメフロアに生まれ変わる。改装後(2019年度)の化粧品フロアの売り上げ目標は、17年度比30%増の約84億円を目指す。
同社は首都圏戦略を掲げ、首都圏基幹店の重点投資や改編を推進している。今回、その一環としてそごう横浜店の改装に着手した。「横浜地域は、みなとみらいエリアの開発が進み、マンション建設や企業のオフィス進出が相次ぎ商業環境に大きな変化が見込める。その背景を受け、最も成長性の高い領域であるビュティ・コスメの再編を実施し、地域一番店を目指す」(青木泰輔そごう・西武 商品企画本部 基幹店商品部 コスメ&ラグジュアリー担当 マーチャンダイザー)のも狙いの1つ。そごう横浜店の化粧品フロア全面改装は2002年以来、16年ぶりとなる。
新たな化粧品フロアは“ガーデンパーティー”をイメージ。空間デザインを 建築家の内藤廣が担当し、壁面にはグリーンを配し、自然光を思わせる光の天井で、明るく解放感あふれる空間を創出。既存顧客だけでなく、若い世代も公園の小道を散策するような気軽さで店舗を回遊できるよう、各ブランドショップ入り口の意匠も統一環境で設計した。
改装のポイントは、「化粧品フロアは現在の45ブランド、売り場面積2800平方メートルから、70ブランド、4400平方メートルに大幅拡大」「ビューティ領域の多様なニーズに対応するため、ヘアケアやサプリメント、健康食品、アロマオイル、美容機器などライフスタイル商材の拡充」「独自サービスの“ステーション”を軸に、専門スタッフを配置したコンサルタント&サービス拠点、内容の拡大」の3点となる。
まずは3月に、ライフスタイル系ブランドのゾーンをリニューアルする。これまでの6ブランドから倍増の12ブランドをそろえ、選択の幅を大きく広げる。代表的なブランドは横浜エリア初となるヘアケアブランド「オブ・コスメティックス(OF COSMETICS)」。これまで「スキンケアやポイントメイクは売り場でタッチアップできるのにヘアケアは試すことが難しかった」ことを払拭するため、オートシャンプー台を設置。これにより購入前に使用感の確認が可能となるという。百貨店として初の取り組みとなるドライヤー「ダイソン(DYSON)」の店舗を導入。美容師が常駐し、ドライヤーを使用したブロー体験やヘアセットなどを提供する。横浜エリア初の、「クラランス(CLARINS)」の体験型ショップ「クラランス ウィズ オープンスパ」も展開する。キャビンを設置しスパ体験ができる他、商品をイメージした果実などを使ったジュースバーも併設する。
その他、専任の担当者が無料で相談を受けるサービス機能“ステーション”では、これまでのスキンケアの“キレイステーション”、メイクアップの“メイクアップステーション”に加え、“ゾゴウビューティステーション”を設ける。名入れサービスを実施する他、「ワンストップショッピングのサポートや取り置き、取り寄せなど買い物ストレスの軽減を提供する」。売り場中央にはイベントステージ「ソゴウビューティステージ」や、顧客を中心にサービスを実施するクローズドのスペース「ソゴウビューティルーム」なども設け、コト提案にも注力する。
「そごう・西武の化粧品フロアの売り上げ1位は西武池袋店。今回、売り場の規模や展開ブランド数、サービス内容を充実させることで、西武池袋店の売り上げに近づけたい」と意欲を燃やす。