エイチ・ツー・オー リテイリング(以下、H2O)は、大阪・豊中市の千里中央駅の駅前再開発に乗り出す。地下鉄御堂筋線、北大阪急行電鉄、大阪モノレールが乗り入れる千里中央駅に隣接する百貨店「千里阪急」とショッピングセンター「セルシー」を一体再開発し、延べ床面積10万平方メートル級の大型商業施設を建設する。北大阪エリアの活性化を目指した豊中市との官民協働プロジェクトで、これから開発スケジュールや事業スキームなどの具体的な検討に入る。
千里阪急は、同社傘下の阪急阪神百貨店(当時は阪急百貨店)が大阪万博が開かれた1970年に開業。延べ床面積約2万平方メートルの中規模百貨店として地元客に利用されてきた。セルシーは72年に開店し、同4万5000平方メートルの規模でダイエーや各種専門店が入っている。H2Oはセルシーの信託受益者であるサントルと共同で再開発を進める。中身は今後詰めることになるが、千里阪急は核テナントの1つとして存続する見通しだ。
千里中央は梅田まで電車で20分ほどの距離にあり、大阪北部のベッドタウンとして子育て世代の人気が高い。大阪モノレールで2駅先の万博記念公園には、15年に三井不動産の大型商業施設「エキスポシティ(EXPO CITY)」を開業。集客合戦が熾烈になっている。