タトラス ジャパン(TATRAS JAPAN)は、日本の伝統工芸を取り入れた新ブランド「リヴィール プロジェクト(REVEAL PROJECT)」をファッション・ウイーク期間中のパリで発表した。
デビューコレクションの2018-19年秋冬は、京都の木村染匠とタッグを組み、京友禅の技術を生かしたボマージャケットを披露。着物に用いられるシルクでできたボマージャケットの背に、職人が伝統的な友禅の絵を1つ1つ手描きした。絵柄は伊藤若冲の鶏や、河鍋暁斎の髑髏(ドクロ)、能の舞台に描かれる松など7種で、ジャケットのボディーはブラック、ネイビー、グレー、カーキの4色をラインアップ。価格はいずれも約100万円で、販売は限られた店舗での卸を検討する。デザインは「タトラス」のデザインも手掛ける坂尾正中・社長が担当した。今後も年2回、さまざまな日本の伝統工芸の技術を生かしたコレクションを発表していく。
坂尾社長は「『タトラス』を10年前にイタリアで始めた頃から、日本人のアイデンティティーを意識してきたが、約2年前から京都に通い伝統技術について勉強した。貴族文化から生まれた美しい友禅は、年々着物の需要が減り、後継者不足に陥っている。洋服に落とし込み、新たな形で取り入れることで技術を世界に発信したい」と思いを語った。