吉岡徳仁による光の彫刻作品「プリズマティック・クラウド(PRISMATIC CLOUD)」が米ヒューストンのアレンセンター(ALLEN CENTER)に完成した。アレンセンターは、ヒューストンの新文化拠点で、企業をはじめ、ホテルやレストランなどの商業施設、イベントスペースなどから構成される超高層ビル群だ。新しく生まれ変わるアレンセンターを象徴するような美術作品を公共スペースに設置したいということで、吉岡に作品制作が依頼された。
制作に約10カ月を費やし完成した「プリズマティック・クラウド」は、人間のさまざまな感覚を非物質的な要素で形象化し表現した、巨大な光の彫刻だ。約2万本のプリズムを使って、光が透過する透明なレイヤーにした作品は、屋内に出現した雲のように見える。アレンセンターワンの約450平方メートル公共エントランスに設置されている。
吉岡の自然をテーマにした詩的で実験的な作品は国際的に評価が高く、ニューヨーク近代美術館や(THE MUSEUM OF MODERN ART, NEW YORK)やパリのポンピドゥー・センター(CENTRE POMPIDOU)など世界の主要美術館に所蔵されている。代表作のガラスのベンチ「ウォーター・ブロック(WATER BLOCK)」はパリのオルセー美術館(MUSEE D’ORSAY)の印象派ギャラリーに常設展示されている。