ファスナー大手のYKKは、創業家出身の吉田忠裕・代表取締役会長兼CEO(71)が退任すると発表した。6月の株主総会を経て正式に決定し、代表権のない取締役に退く。新しい代表取締役会長には現代表取締役副会長の猿丸雅之氏(67)が就任する。吉田氏はサッシ部門の事業会社YKK APの代表取締役会長CEOの職も退き、後任に吉﨑秀雄・副会長(71)が昇格する。吉田会長兼CEOは創業者である吉田忠雄氏の息子で、ファスナーに続くサッシ部門の立ち上げに注力しながら1993年にYKK社長に就任。以来、ファスナーとサッシ両部門の陣頭指揮を執ってきた。吉田会長兼CEOは「70歳、73歳が人生の区切りだと思っていた。2011年に会長職になり、海外を含めたガバナンスの構築などを行ってきた。会長職を退くと言っても、まだ取締役としても残る。これからは新しい事業をもう1つか、2つくらいは作りたい」と語った。