百貨店大手5社の2月度売上高(既存店ベース)は、高島屋を除く4社が前年実績を上回った。三越伊勢丹が前年同月比3.5%増、高島屋が同0.2%減、大丸松坂屋百貨店が同3.9%増、そごう・西武が同3.9%増、阪急阪神百貨店が5.2%増だった。昨年8月から続いていた5社そろっての前年実績クリアは途絶えたものの、引き続き訪日外国人による消費を含めた高額品の商品がけん引し、総じて好調が続いている。寒い日が続いたため、春物衣料の動きは鈍かったが、ラグジュアリー・ブランドや宝飾・時計、化粧品などの好調でカバーした。
大丸松坂屋百貨店は特選が同12.2%増、美術・呉服・宝飾が同10.1%増と高い伸び率を維持した。「株価に一服感はあったが、国内富裕層のお客さまの消費はあまり影響を受けていないようだ」(同社広報)と見る。阪急阪神百貨店の阪急うめだ本店では100万円以上の高額品が活発に動き、中でも時計は2倍以上の売上高を記録した。三越伊勢丹も基幹3店舗(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)の宝飾・時計は同9%増だった。今年は中国の春節(旧正月)が2月半ばだったことも、訪日外国人の集客の追い風になった。
一方、全国的な寒波の影響で春物衣料の出足は鈍かった。シェアの大きい婦人服では高島屋が同5.3%減、大丸松坂屋百貨店が同3.8%減だった。三越伊勢丹や阪急阪神百貨店は前年実績をクリアしたが、貢献したのはコートなどの重衣料によるもので、中軽衣料は伸び悩んだ。