マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)の回顧展「マルジェラ ガリエラ - 1989/2009(Margiela Galliera - 1989/2009)」が3月4日〜7月15日の会期で、パリのガリエラ美術館(Palais Galliera)で開催される。フランスで初のマルジェラの大規模展になる同回顧展は、現在60歳のマルジェラ本人も展示品の収集に携わった。
ガリエラ美術館は、ヨーロッパで初めて「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA)」のコレクションを買い入れた美術館だ。セカンドコレクションから収集し始め、今となっては非常に貴重な最初の5年間のコレクションもほぼ全ての作品がそろっているという。400点ほどのコレクションを所蔵しており、回顧展ではさらに長年「マルジェラ」のイタリアにおけるセールスパートナーを務めていたヴィッキー・ロディティス(Vicky Roditis)などのコレクターが貸し出した200点の他、「メゾン マルタン マルジェラ」が「メゾン マルジェラ」に改名した後のコレクションのプロトタイプも展示する。
全130ルックがマネキンに着せられ、年代順に展示される。中には日本人写真家、都築響一にインスパイアされた3つの部屋「ファンルームズ(fan rooms)」も用意する。それぞれの部屋は想像上のもので、コレクションのタイムカプセルとして機能するという。展覧会は、マルジェラ本人が手掛けた最後のコレクションとなった20周年コレクションで締めくくられる。
「この回顧展は、彼の仕事の一貫性を見ることができる。全て見終わった後、クリエイティブな旅を目撃したように感じるだろう」と語るのは、同回顧展のキュレーションを監修したアレクサンドル・サムソン(Alexandre Samson)=ガリエラ美術館コンテンポラリー・コレクションズ・ディレクター。彼は「マルジェラは、2008年にブランドを去った。全てのアイデアを探求しつくしてしまったからだ」と話す。
同回顧展は、ガリエラ美術館が改装に入る前の最後の展覧会になり、改装後は「シャネル(CHANEL)」がスポンサーにつき、常設展示スペースを地下に設ける。
さらに、この回顧展と並行してパリ装飾美術館(Les Arts Decoratif)では、マルジェラの「エルメス(HERMES)」のウィメンズウエアのアーティスティック・ディレクターとしての仕事に焦点を当てた展覧会「マルジェラ:エルメスイヤーズ(Margiela:HermesYears)」が3月22日〜9月2日の会期で開催される。