「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は2018-19年秋冬コレクションで再び、新しいテキスタイルを使ったコレクションを発表した。14年春夏に発表した技法、蒸気で布を縮めて服を作る “スチームストレッチ”を用いて太番手の毛糸を織り込み、一見するとニットのような、それでいてプリーツのように弾む見たことのない生地の服を生み出した。
技術の進化を背景にした新しいテキスタイルの発表は、「イッセイ ミヤケ」にとってもはや“当たり前”。それは変わらず強みだが、今季はむしろ、難しい技術を理解せずともショー自体から力強さを受け取る点が印象的だった。
招待状には狼やトラなど野生動物の絵。会場はコンクリートを打ちっぱなしの洞窟のような空間で、中央に暖炉を模した明かりがともる。モデルはモコモコとした白やグレー、ネイビー、ブラウンの“ウール・ニット”や縫い目のないダウンコートに包まり、歩くたびに裾がバウンドする。その動きはどこか野生動物を連想させてしなやかだ。今季のパリコレは連日氷点下続きなこともあり、“今すぐそれに包まりたい”と思わされる服だった。
さらに発表した服はいずれもウォッシャブルだという。生地の開発の背景について、宮前義之デザイナーは「気持ちとして、あったかいものを作りたかった。ウールのニットはともすれば重たく、ケアは少し面倒。プリーツを着てくださっているお客さんが冬に着るプリーツの服を作りたかった」と話している。