この手があったか!――うっかり業界歴を重ねてしまうと、純粋な気持ちでそう思えることが少なくなってしまいます。そんな中堅感丸出しの記者が思わず膝を打ったのが、このシューズでした。
グルカサンダルとマウンテンブーツのフュージョンスタイル。「ありそうでなかった」なんて手あかの付いた言葉では形容したくない1足を作ったのは、イタリアのシューズブランド「フラテッリジャコメッティ(F.LLI GIACOMETTI)」。あの高級馬具屋さんや“帝王”などの呼びかけに応え、ラグジュアリーブランドのシューズも製作しています。
日本における独占販売権を持つウィリーの秋山淳一郎・社長は、「『フラテッリジャコメッティ』は、イタリア北部のヴェネト州で3代続くファクトリーブランド。なんといっても縫製の美しさが魅力です」とコメント。そのわけについて「分業が当たり前の靴作りにおいて、同社は社内に縫製工場を持っているからです」と教えてくれた。なるほど、だから武骨なマウンテンブーツも、どこか上品に見えるのかぁ~。
手縫いにこだわったノルヴェジェーゼ製法も同ブランドのアイデンティティー。機械縫いの場合、テープや接着剤を用いる分硬くなってしまいますが、「手縫いだと、溝を彫ってそこを縫うため、柔らかく通気性に優れます。当然、履き心地もいいんです」。
写真は、丈夫で軽いオーストリッチ製で16万8000円。青山のセレクトショップ、レショップ(L'ECHOPPE)や、新潟のシューズサロンなとりやで販売されています。う~ん、今からサンタさんにお願いしておこうかなぁ……?