東急不動産は、現在進めている渋谷駅周辺再開発において、19年秋に竣工する道玄坂一丁目駅前地区の商業施設ゾーンに「東急プラザ渋谷」を開業すると発表した。同地区は、15年3月に閉館した旧東急プラザ渋谷の跡地を含む。「日本は、世界に先駆けて超高齢社会を迎える。商業施設は若年層、ファミリー層を対象とすることが多いが、ここでは大人が楽しめる施設にしていきたい」(岡田正志・取締役専務執行役員)として、渋谷周辺の住宅地に住む“都会派の感度が成熟した大人”をターゲットにする。
具体的なテナントはまだ決定していないが、施設のコンセプトとして、年月を重ねることによる豊かさなどを意味する“メロウライフ”を掲げる。「美」「健康」「食」「ライフプラン」の4軸でフロアを構成する予定だ。東急グループが手掛ける近隣の渋谷ヒカリエシンクス(SHINQS)よりも、ターゲットの年齢層は高め。「渋谷は若者の街というイメージがあるが、実際は多様性のある街。旧東急プラザ渋谷にも、代官山、桜丘町、松濤、世田谷などに住む大人層が訪れていた」(林永子・商業施設営業部リーシンググループリーダー)という。
地下3階から地上18階までのうち、地下1階から地上8階と17階の一部、18階が商業フロアとなる。商業床面積は1万4000平方メートル。2階は渋谷駅と直結し、1階には空港リムジンバスが乗り入れるバスターミナルや観光支援施設も設置するなど、海外観光客の取り込みも意識する。9階から17階がオフィスフロアとなり、GMOインターネットグループが入る。
東急不動産は、12年に東急プラザ表参道原宿、16年に東急プラザ銀座を新規開業し、14年、15年には東急プラザ蒲田、東急プラザ戸塚をリニューアルした。東急プラザ発祥の地でもある渋谷は、それらに続く「集大成」という位置づけだ。