ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM LTD.)の会長に、ラルフ・トレダノ(Ralph Toledano)が就任した。トレダノ新会長は、ブランドのクリエイティブビジョンを育むためにチームと密接に協力し、次の成長段階に向けた事業強化に取り組むことになる。
トレダノ新会長は、「アーティスト、デザイナー、起業家として活躍するヴィクトリアとの出会いは素晴らしいものだ。彼女は自身のブランドに熱意を注ぎ続けており、変化を続けるデジタルファッション業界の最前線にいる。10年前に立ち上がったブランドビジョンは今、顧客にダイレクトに伝わっている。この熱意が、ブランドをラグジュアリーグループに押し上げたのだ」と語る。今後は特にアジアにおける地域事業拡大、中間業者のカット、コストの見直しに取り組み、黒字化を目指す。
一方ヴィクトリア・べッカムは、トレダノ新会長が「他に類を見ない業界経験を会社にもたらしてくれるだろう。会社の立ち上げ以来、私のビジョン実現に協力してくれる有能な幹部を、常に探してきた」と話す。
同社は17年初めに退任したザック・デュアン(Zach Duane)前最高経営責任者の後任を探していた。また、11月にロンドンの投資会社ネオ・インベストメント・パートナーズ(NEO INVESTMENT PARTNERS)に少数株式を売却し、3000万ポンド(約43億5000万円)の資金を得ている。
トレダノ新会長は、1985年から95年までカール ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)のマネジング・ディレクターを務め、96年にギ ラロッシュ(GUY LAROCHE)のマネジング・ディレクターに就任し、アルベール・エルバス(Alber Elbaz)をアーティスティック・ディレクターに任命した。99年にクロエのCEOに就任し、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)の後継として、2001年にフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)を起用した決断は高く評価された。10年に同職を退任し、11年から12年までセント ジョン ニッツ インターナショナル(ST. JOHN KNITS INTERNATIONAL INC.)の会長を務め、12年に「ニナ リッチ(NINA RICCI)」「パコ・ラバンヌ(PACO RABANNE)」「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」を擁するプーチ(PUIG)のファッション部門プレジデントに就任。14年に一時退任したフランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(通称サンディカ)会長に、16年に再就任している。プーチのファッション部門プレジデントは、17年1月に退任していた。