ビューティ

美容師をウーバーで自宅に派遣 ドバイとロンドンでサービス開始

 ウーバー(UBER)と、ドバイのビューティテック企業bgXは、プレステージ性のある美容師派遣サービスについて提携し、ロンドンとドバイでサービスのためのプラットフォームを立ち上げた。

 bgXの創立者の1人であるアリ・ラフィ(Ali Rafi)最高経営責任者(CEO)は、「bgXは、ヘアサロンや美容師など、美容のプロと顧客とをつなぐためのマーケットプレイスだ」と説明する。ラフィCEOは、美容サービスとテクノロジー分野を領域とするドバイの企業、ブロウアウト&ゴー(BLOWOUT&GO)において、顧客の要望に応じて自宅にビューティ関連サービスを届けるビジネスを数年行った後、パートナーとプラットフォームのbgXを立ち上げた。「100人の美容師をプラットフォームに登録させることができれば、5000人、1万人の美容師だって動員できるだろう」と自信を見せる。

 この事業を成功させる上で重要となるポイントは2つある。プロの美容師にいかにアプローチするかと、彼らを顧客の自宅にどう運ぶかだ。「われわれは、顧客の予約を管理し、美容師が顧客のもとでスムーズに施術しているかどうかをチェックし、サービス終了後は美容師を効率的かつ無事に元の場所に帰さないといけない」とラフィCEO。それが、ウーバーとの提携によって可能になった。

 ウーバーの英国トップ、およびビジネス用ウーバーのトップを務めるエリン・コリアー(Erinn Collier)は、ウーバーとbgXとは、将来展望も含めて共有できることが多いと話す。これは、ウーバーが他の企業と提携して本格的に手掛ける、初のオンデマンドサービスだ。

 同様の美容師派遣サービスを手掛ける事業者にとって、ビジネスの障害となっていたのは、予約を受けて、顧客の自宅から自宅へと美容師が移動する際の輸送方法であり、それが1日の予約数を制限もしていた。また、フリーランスの美容師の技術レベルがバラバラなことも課題で、収益化が難しかった。

 「われわれのアプリは、技術革新によってフリーの美容師に利益をもたらし、顧客が減っているヘアサロンにもチャンスを提供する」とラフィCEO。つまり、ヘアサロンはこのサービスに登録すると、1km圏内の美容師の移送や、分析ツール、スタッフの労務管理などのサービスを受けることができる。ヘアケア製品や化粧品などの販売を通して、売り上げ拡大も見込めるかもしれない。

 bgXは、顧客とヘアサロン・美容師の双方に使いやすい設計になっている。顧客はアプリにログインし、希望のサービスを登録すると、近隣のヘアサロンから連絡がくる仕組みだ。予約すると、ヘアサロンは派遣する美容師を決め、顧客はそのプロフィールを確認することができる。そしてウーバーが美容師をピックアップし、顧客のもとへ送り届ける。

 料金は髪型やサービスごとに決まっており、顧客はメニューを見てサービスを選ぶ。たとえば、英国ではブロウで65ポンド(約9425円)だ。シニヨンなど、もう少し凝った髪型を希望すると料金は上がる。

 施術が終われば、顧客は美容師に対する評価をアプリに書き込み、チップを払うこともできる。美容師も顧客を評価し、お互いに高評価であればリピート利用も可能だ。美容師は顧客情報や施術内容もアプリに書き込むため、次回担当するスタイリストは、そのカルテをもとに接客する。

 将来的には、ヘア関連だけでなくメイクアップやネイルにも事業を広げようとしている。2018年内に、欧州を含む10都市でサービス開始予定だ。米国では、9月のファッション・ウイークに合わせて、ニューヨークでプラットフォームを立ち上げる。また、ロサンゼルス、ラスベガス、シカゴ、マイアミでも事業を開始する他、シンガポール、香港、オーストラリアにも進出予定だ。ウーバーがカバーしている都市ならば、どこでも事業展開が可能だという。

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