アーバンアウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)の18年1月期は、売上高が前期比1.9%増の36億1601万ドル(約3832億円)、純利益は米国の税制改革などの影響もあり、同50.4%減の1億826万ドル(約114億円)の増収減益となった。同社は「アンソロポロジー(ANTHROPOLOGIE)」「フリーピープル(FREE PEOPLE)」などを手掛けている。
卸部門の売上高は、同9.4%増の3億1630万ドル(約335億円)と好調だった。一方、小売り部門は7店の純増分を加えた全店売上高でも、同1.3%増と微増だった。既存店売り上げは引き続き前年を割り込んでいる。オンラインでの売り上げは、売れ筋サイズの欠品に見舞われつつも各ブランドで2ケタの伸びだった。
北米での苦戦が依然として足を引っ張っている。フランク・コンフォーティ(Frank Conforti)最高財務責任者は、「欧州の店舗の客数は伸びたが、北米は引き続きやや前年を割り込んだ」と話した。ただ、18年1月からは5年振りに既存店売り上げが前年を上回っているといい、状況は改善しつつあると楽観する。
創業者でもあるリチャード・ヘイン(Richard Hayne)最高経営責任者(CEO)は足元の好調を受けて、消費者が再びファッションに個性を求めるようになってきたと指摘する。「景気は良すぎるほどに良く、失業率は低い。給与は上がっている。減税により可処分所得も増える。ファッション業界にとっては追い風だ」。売れ筋のボトムスのシルエットが変化していることを、「消費者が新しいファッションを求めるようになっていることの表れ」として、“ファッションの復権”と見る。
「北米の実店舗数が多すぎるということはない。それはファッションの復権からも明らかだ。引き続きさまざまな困難はあるが、業績を上向かせるいい流れがきている」とヘインCEOは続ける。17年度の第3四半期終了時にも同様のコメントをしていたが、第4四半期に復調の兆しはなかった。
欧州での好調を受けて、米国外での新規出店に力を入れるという。